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転瞬
「転瞬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転瞬の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
書いた経験が一番正しいと思うが、大間違である。刻下《こっか》の事情と云うものは、
転瞬《てんしゅん》の客気《かっき》に駆られて、とんでもない誤謬《ごびゅう》を伝え....
「明暗」より 著者:夏目漱石
た。「まあ考えて見たまえ。その金はつい今まで僕の紙入の中にあったんだぜ。そうして
転瞬《てんしゅん》の間に君の隠袋の裏に移転してしまったんだぜ。そんな小説的の言葉....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
誉士夫 以上五十九名 ◯蘇峰翁の所感詩一篇あり 血涙為誰振 丹心白首違 滄桑
転瞬変 八十三年非 十二月七日 ◯けさのラジオは、ついに近衛公、木戸侯らにも逮....
「青年」より 著者:森鴎外
行けないよ」 机の上の書類を取って懐に入れる。長押から中折れの帽を取って被る。
転瞬倏忽の間に梯子段を降りるのである。純一は呆れて帽を攫んで後に続いた。 初め....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
方へ参りました。そこに相手の居ないことは余りに明らかの事実です。ハッと切込んだ一
転瞬に、ヒラリと体を変化させて、居所を眩すのが常道で、その常道の隙を狙って、逆に....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
口に両手をかけ、貴婦人の手から手袋をぬがせるようにクルリと皮をひき剥いた。 一
転瞬の変化だった。ちょうど幻影が消えうせるように膃肭獣の姿が消え、たったいま膃肭....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
。 との曇った冷たい朝で、風が波しぶきといっしょに顔をうった。 なにもかも一
転瞬の夢だった。船室の扉のノッブの感触がそのときのまま鶴代の掌に残っているのに、....