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「軸木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軸木の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
作家の手帖」より 著者:太宰治
は、一つ差し上げる事にしている。一つしか持っていない時でも、その自分のマッチ箱に軸木が一ぱい入っているならば、軸木を少しおわけして上げる。そんな時には、相手から....
深夜の市長」より 著者:海野十三
物件なんで……」 「…………」 老人は黙って僕の掌の中を眺めた。そしてマッチの軸木の先で、それをいじりまわしていたがやがて顔をあげて、ジロリと僕の顔を見た。そ....
蠅男」より 著者:海野十三
君に燐寸を借りたでしょう。あの燐寸は、燕号の食堂で出している燐寸です。まだ一ぱい軸木がつまっていました。夜には大阪着ですから、ここへ二人が現われた時間が十時頃で....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ずんでいぶっていた。 少年工と少女工が、作業台に並んで、手品師の如く素早く頭付軸木を黄色の小函に詰めている「函詰」では、牛を追う舌打ちのように気ぜわしい音響が....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
木はオークの代用に輸出され、エゾ松トヾ松は紙にされ、胡桃は銃床に、ドロはマッチの軸木になり、樹木の豊富を誇る北海道の山も今に裸になりはせぬかと、余は一種|猜忌の....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
の帽子がとび上って、台の上へ下りた。と、引だしからマッチがとびだしてきて、一本の軸木がマッチ箱の腹をこすった。軸木に火がついた。その火はアルコール・ランプの芯《....
流線間諜」より 著者:海野十三
――」 と大江山課長は叫んで、燐寸の箱を開いてみると、なるほど不思議にも燐寸の軸木は半分ほどしか入っていなかった。 怪紳士 「どうも僕には、事件に関係の....
追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
とき先生自身がひどく吃驚した顔を今でもはっきり想い出すことが出来る。 マッチの軸木を並べてする色々の西洋のトリックを当時の少年雑誌で読んではそれを実演して友達....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に漬け置ける綸巻取り出し、そろそろ用意を始む。鈎は、四|分なれば、其の太さ燐寸の軸木ほどにて、丈け一寸に近く、屈曲の度は並の型より、懐狭く、寧ろひょっとこに近く....
」より 著者:中谷宇吉郎
ているものをよく見ると、中央部が二重になっていることがある。それを適当にマッチの軸木の先で中央部をつつくと、左右二箇の結晶に分離出来たのである。これは結晶生成初....
遠野物語」より 著者:柳田国男
います神をかく唱うることとなれり。 七五 離森の長者屋敷にはこの数年前まで燐寸の軸木の工場ありたり。その小屋の戸口に夜になれば女の伺い寄りて人を見てげたげたと笑....