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「軽便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽便の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
姓家。街道。そして青田のなかに褪赭《たいしゃ》の煉瓦《れんが》の煙突。 小さい軽便が海の方からやって来る。 海からあがって来た風は軽便の煙を陸の方へ、その走....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
は先生のこの暴挙を非難する余裕などなかった。先生はこのことあるを予想して、二組の軽便なセットを作られてあったのだ。そしてシュミット博士をだしぬいて、宇宙旅行に飛....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
を監視していたのです」 「龍子は死んだか」そう云って警部はうしろを向いた。彼女は軽便担架の上で、裸にむかれていた。 「課長さん、重傷ですが、まだ生きています。創....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ものではあるまい。しかし、湯あがりに茶を一ぱい飲むのも悪くはない。湯屋のとなりに軽便な喫茶店を設けたらば、相当に繁昌するであろうと思われるが、東京ではまだそんな....
わが町」より 著者:織田作之助
それを知ってか知らずにか、百二十五名の移民はマニラで二日休養ののち、がたがたの軽便鉄道でダグバンまで行き、そこから徒歩でベンゲットの山道へ向った。 まず牛車....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
とき気がかわって、スイッチは切らないでそのままにしておくことにした。 隆夫は、軽便寝台《けいべんしんだい》の上に毛布にくるまって、ぐっすり睡った。 ふと眼が....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
チャブ台も作った。裏手には、お千のために、往来からは見えないように眼かくしをした軽便厠をこしらえた。入口には、杜の名をボール函の真に書いて表札のつもりで貼り出し....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
小田原|熱海間に、軽便鉄道|敷設の工事が始まったのは、良平の八つの年だった。良平は毎日村|外れへ、....
貞操問答」より 著者:菊池寛
かえたり、サンドウィッチを作ったり水筒に紅茶を入れてもらったりして、仕度をした。軽便を降りて牧場まで歩いて行くと、暑くて、苦しかった。日向の草原に、牛が寝たり、....
発明小僧」より 著者:海野十三
て無らぬのは、この目醒しつきの腕時計でございます。目醒しとしては極めて小型にして軽便、ベルの鳴り心地も大きからず、また小さからず。重役の耳には入らねど、御自分を....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
置いたあいだ、なにか羅針盤が狂うような原因があったのではないか。そこで、念のため軽便天測具を持ちだして、その夜、星を測ってみたのだ。なるほど、セントウルスの二つ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
住するは「あきらめ」でなければイグノランスであると。かくの如くして二葉亭の鉄槌は軽便安直なドグマや「あきらめ」やイグノランスを破壊すべく常に揮われたのである。 ....
贋物」より 著者:葛西善蔵
しい疲労にもかかわらず、彼は睡むることができなかった。 翌朝彼は本線から私線の軽便鉄道に乗替えて、秋田のある鉱山町で商売をしている弟の惣治を訪ねた。そして四五....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
十五日、晴れ。終日右岸の連山を望みて北走す。寒暖七十度なり。紀洋丸は甲板上に軽便鉄路を敷き、船内運搬の用に備うるはおもしろし。 十六日、晴れ。午前中にタル....
わが町」より 著者:織田作之助
それを知ってか知らずにか、百二十五名の移民はマニラで二日休養ののち、がたがたの軽便鉄道でタグパンまで行き、そこから徒歩でベンゲットの山道へ向った。牛車を雇って....