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「軽妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の戯作者《げさくしゃ》のような珍竹林《ちんちくりん》主人が、ふと興に乗って、折々軽妙な洒落《しゃれ》を交えながら、あの楢山《ならやま》夫人の醜聞《スカンダアル》....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ゆううつ》等の非難を加える事と思えばよろしい。又この非難を逆に用い、幸福、愉快、軽妙等を欠いていると罵《ののし》ってもかまいません。一名『木に縁って魚を求むる論....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の形を崩すところに異性へ向って動く二元的「媚態」が表われてくる。またその崩し方が軽妙である点に「垢抜」が表現される。「結ひそそくれしおくれ髪」や「ゆふべほつるる....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
あるから、俺は恐々《こわごわ》ながら、 「山野の『顔』はどうだい」ときいた。 「軽妙だ。しかしあんなものは、誰にだって書けるじゃないか。少なくとも江戸っ子には書....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
挟み、或いは頭蓋骨との接吻、単に接吻々々などと読む人をして思わず失笑せしめる位に軽妙に書いてある。 余裕|綽々と云おうか、捨鉢と云おうか、云い逃れるに道なき殺....
紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
明治文壇には、紀行文家と称せられる一群の顔ぶれがあった。根岸派では、饗庭篁村が先達で、八文字舎風の軽妙洒脱な紀行文を書き『東京朝日』の続きものとして明日を楽しませた。幸田露伴にも....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
のためであり、人麿的声調のためである。そして人麿はこういうところを歌うのに決して軽妙には歌っていない。飽くまで実感に即して執拗に歌っているから軽妙に滑って行かな....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
屋敷の跡であった。お鷹匠ばかりでなく、三宅侯の邸内にはあの画技に勁烈な意気と共に軽妙な写生の一面を拓き、現実に早くから目を醒ましていた蘭学者の渡辺崋山が住んでい....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
訳からひと通り舞台のイメーヂはつかめる筈ですが、さて、この舞台には絶対に必要な、軽妙にして重厚さを失わないという風な生活のトーン、それにふさわしい人物の構成と対....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
性を無視し、とくにその対話形式の、単純、率直、傍若無人、そして、しばしば、愚鈍と軽妙との交錯による滑らかな流動感が、ファルスの生命ともいえよう。 日本の「狂言....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、大蔵流である。ただし現在では鷺流は滅びて、二流だけになっている。「鷺はなかなか軽妙にして飛び放れたる芸をなし、和泉もまた鷺のごとし、唯ひとり大蔵は堅実なる芸を....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
貴顕の※間となる! どうも威張れた義理じゃ無い」 こういう考えが浮かんで以来、軽妙な頓智が出なくなった。 「俺は決して幇間では無い。俺はこれでも諷刺家なのだ。....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
した上から丹念に描いた一点一劃間違いのないような精細確実な処にあるのではなくて、軽妙洒脱な筆の味ばかりでもなく、時には筆者さえも予想しなかったような、勢いに乗じ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
上に達者に踊り抜く俳優はたしかにある。しかも彼のごとく悠揚迫らずして、おのずから軽妙洒脱の趣を具えている俳優は、殆んど見当たらないように思われる。たってその後継....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
たしかに、この物語において自己告白もしていなければ、自己弁護もしていない。事件の軽妙な配列と、描写の客観性とによって、あくまでも感傷の跡を消し去っている。 母....