軽子[語句情報] » 軽子

「軽子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人の大工が食やすみの煙草を吸っていた。おなじ店の若い者や、河岸《かし》の荷あげの軽子《かるこ》なども四、五人打ちまじって、何か賑やかにしゃべっていた。喜平もその....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かなり大きい鰻が四、五本ぐらい蜿くっているのを、私は見た。 そのほかには一種の軽子、いわゆる立ちン坊もここで氷水を飲み、あま酒を飲んでいた。 立ちン坊君を相....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、前に申した三人が待伏をして居るのだが、孝助の運が強かったと見え、隆慶橋を渡り、軽子坂から邸へ帰って来た。 孝「只今帰りました」 というからお國は驚いた。なん....
窃む女」より 著者:黒島伝治
月前に、団栗山を伐った。樹を切るのは樵夫を頼んだ。山から海岸まで出すのは、お里が軽子で背負った。山出しを頼むと一|束に五銭ずつ取られるからである。 お里は常か....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
左官某が保存して居るそうですが、亥太郎が常に用いました鏝板は、ざっと一尺五六寸、軽子が片荷程の土を其の板の上に載せますと、それを左に持ちまして、右の手で仕事をす....
短命長命」より 著者:黒島伝治
いる新緑の岬や、福部島や、近海航路の汽船が通っている海に見入っていると、丘の畑へ軽子を背負ってあがって行く話ずきらしい女が云ってきかした。よいところというのは、....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
つもの通りに、養父と一緒に日本橋へ買出しに行って、幾笊かのうなぎを買って、河岸の軽子に荷わして帰った。暑い日のことであるから、汗をふいて先ず一休みして、養父の亭....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
とかくしている中、また一つ私の生活に変化が来ました。 それは牛込神楽坂の手前に軽子坂という坂があるが、その坂上に鋳物師で大島高次郎という人があって、明治十四年....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
の土間をのどかに込めて、本多隠岐守《ほんだおきのかみ》殿《どの》の黒板塀に沿うて軽子橋の方へ行く錠斎屋《じょうさいや》の金具の音が、薄れながらも手に取るように聞....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
。 伊達若狭守殿の控邸について、帰路《かえり》を急ぐ親分乾児、早い一番鶏の声が軽子河岸《かるこがし》の朝焼けに吸われて行った。 突然、葬式彦が嗄声《かれごえ....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
かなり大きい鰻が四、五本ぐらい蜿くっているのを、私は見た。 そのほかには一種の軽子、いわゆる立ちン坊も四、五人ぐらいは常に集まっていた。下町から麹町四谷方面の....
五重塔」より 著者:幸田露伴
、我にあっては要なき此品の、一ツは面倒な材木の委細しい当りを調べたのやら、人足|軽子そのほかさまざまの入目を幾晩かかかってようやく調べあげた積り書、また一ツはあ....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
へかかるころから、差立ての列は、そこらに、群れをなしていた立ン坊だの、屑屋だの、軽子だの、乞食だの、まるで生ける餓鬼草紙みたいな、臭い人種に囲まれて、 「ならぬ....
雪の日」より 著者:近松秋江
くらいです。 すると、――あれはいつでしたか、何でもお母さんと私と神楽坂の傍の軽子坂の処に隠居していた時分です。 あれはちょうど私が二十歳の時分でした。春の....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
も元はカルコという者が多く住んで、引越しその他の運搬にやとわれていたらしく、今も軽子坂という地名がのこっている。ちょうど牛込見付と飯田橋とのあいだを、北へ登って....