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「軽気球〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軽気球の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
浮べながら、西側の隅で虎に餌を与えている番人の姿や、東側の露台の上で気球係の男が軽気球の修繕をしている景色に見惚れていた私に向って、静かに声を掛けた。 「君、虎....
風船美人」より 著者:渡辺温
1 上野の博覧会で軽気球が上げられた。軽気球はまるで古風な銅版画の景色の如く、青々と光るはつ夏の大....
火星兵団」より 著者:海野十三
ものばかりでありました。 たとえば、モロー彗星と衝突する前に、地球の反対側から軽気球に乗って、空中へのがれるのがいいという案がありました。そうして、モロー彗星....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
堂用時計や、紙匣や、球転(一種の賭博)の道具をはじめとして、モンゴルフィエールの軽気球や、メスメルの磁石が世間を騒がせた前世紀の終わりにはやった、婦人の娯楽用の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
想を信じていた、すなわち、鉄道、外科手術における苦痛の減退、暗室中の現象、電信、軽気球の操縦など。のみならず、人類に対抗して迷信や専断や偏見によって至る所に建て....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
という。吾人はまさにグリフォンを制御せんとしている、既に手中に保っている、それを軽気球という。そしてこのプロメテウスのごとき仕事が成就する日こそ、すなわち怪蛇と....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
百姓家の人に訊いても、秋山さんが出入りしていた屑屋に訊いても判らない。 空には軽気球がうかんでいて、百貨店の大売出しの広告文字がぶらさがっていた。とぼとぼ河堀....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
を、ふもとから見あげたけしきは、大きく美しいが、はんたいに、この山を高い空から、軽気球に乗って見おろしたら、また、別の美しさ、雄大さを感じるだろう。 この、わ....
話の種」より 著者:寺田寅彦
一月二十八日『東京朝日新聞』) 四十七 英国の軍用軽気球 先月初、ロンドン附近で軍用軽気球の試乗があった。アルダーショットからロ....
桜の園」より 著者:神西清
買ってくれたの。(自分の部屋へはいって、快活な子供っぽい調子で)あたしパリでね、軽気球に乗ったわ! ワーリャ わたしのいい子が帰ってきた! べっぴんさんが帰って....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
下じゃその合図で、そろそろと瓦斯を抜くから、おめえサン方は、御用済みになった観測軽気球みてえに、斜めになって頭を振りながら、御帰還あそばすッてことになるんだア。....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
ったような、まるで、卵を踏みつぶしたような音響をさせるあの味である。――爆破した軽気球か? と私はいつも疑いさえする。――まったくあれがしんしょうである――。「....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
だすった。私の羽織の紋はこれを下図に縫わせたのであって、私の芸術全体を明治開花の軽気球は最もよく象徴していてくれていると考えたからである。黒と鼠と牡丹色の大きな....
」より 著者:神西清
けですってか。へん、どうぞ御勝手に。だが、こっちは一体どうしろと仰しゃるんです?軽気球にでも乗っかって、借金とりから逃げだすんですかい? それとも、めくらめっぽ....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
やばし》のたもとへ来かかると、朝日新聞社を始め、おちこちの高い屋根の上から広告の軽気球があがっているので、立留《たちどま》る気もなく立留って空を見上げた時、後《....