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軽重
「軽重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軽重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
》に来た。釈迦《しゃか》の説いた教によれば、我々人間の霊魂《アニマ》は、その罪の
軽重《けいちょう》深浅に従い、あるいは小鳥となり、あるいは牛となり、あるいはまた....
「或る女」より 著者:有島武郎
持った若々しい葉子のたよりなげな身の上とが、二人《ふたり》に近づく男たちに同情の
軽重を起こさせるのはもちろんだった。しかし道徳はいつでも田川夫人のような立場にあ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を高めて世界を支配していたのです。 ところが十九世紀の末から既に大英帝国の鼎の
軽重は問われつつあった。殊にドイツが大海軍の建設をはじめただけでなく、三B政策に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で心理的神経病者たらざるはない――と」
誰しも人間精神のどこかの隅々には、必ず
軽重こそあれ、神経病的なものが潜んでいるに相違ない。それを剔抉し犯罪現象の焦点面....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
えたが、義元の首を獲た毛利新助はその賞梁田に及ばなかった。賞与の末に於てさえ人の
軽重を見るを誤らなかった。 『読史余論』の著者新井白石が、そのなかで信長成功の理....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
引受けた。遣れ、汝等、裸にしようが、骨を抜こうが、女郎一人と、八千の民、誰か鼎の
軽重を論ぜんやじゃ。雨乞を断行せい。 力士|真先に、一同ばらりと立懸る。 学円 ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
ではないか。しかしながらまた、法は人を裁くが如くにして、実は、その罪を、その罪の
軽重のみによつて裁くのである。情状酌量には限度がある。この岡本の竹を割つたような....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
ものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ
軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。 そして....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
が、もう一つ附け加えますと、職業人としての誇りと嗜みというなかで、いわゆる、役の
軽重という問題についてお話したいと思います。 よく芝居なり映画なりで、役が軽す....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
に伸び育つた巴絵さんのうちに、亡きマリイ夫人と、同じく亡き数に入つた静子夫人の、
軽重のない祈願と、慈しみとが、見事に花咲き、実を結んだといえるばかりで、生涯に二....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
名人位獲得戦の首位と二位を占めていたから、この二人が坂田に負けると、名人位の鼎の
軽重が問われる。それに東京棋師の面目も賭けられている、負けられぬ対局であったが、....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
き口吻を洩らすは京山のいう如く全くこの人にしてこの病ありで、この一癖が馬琴の鼎の
軽重を問わしめる。 馬琴の人物行状の巨細を知るにはかれの生活記録たる日記がある....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ら枡が三十余種に分れて居るのはどういう訳かというに、その罪科、責任にはおのずから
軽重がある。その
軽重に従い、なに村のは第三番枡なになに村のは第十番枡というふうに....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
しかして、世の勢いと国の情はときどき同じからざるをもって、二者を研究するに先後、
軽重の次第なきあたわず、理論を先とすることあり、実際を重しとすることあり。今わが....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
た死牛馬を屠ってその肉を喰うものと、もしそれが罪悪であるとしたならば、その罪悪の
軽重如何ぞやと反問せなければならぬ。しかるに彼らは生きた猪鹿を殺して喰うものを多....