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「較べる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
較べるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の双生児」より 著者:海野十三
った。その青年は、背が極く低くて子供ぽかった。身長五尺四寸に肥満性という女の妾と
較べると、まるで十年も違う弟のように見えた。そして痩せている方ではなかったが、顔....
「蠅男」より 著者:海野十三
殺人犯人にも出会ったが、いくら狂暴でも獰猛でも、この怪奇なる組立て人間「蠅男」に
較べると作り物の大入道ほども恐ろしくはなかった。怪物蠅男の出現は、人間の常識を超....
「地球盗難」より 著者:海野十三
、よい人間とは思われないけれど、何という素晴らしい研究をしているのだろう。それに
較べると、この夏の自分の苦闘なんか、まるで子供だましに過ぎなかったというものであ....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
ヌの「カルタを取る人」の原色版印刷が出て来た。それと、壁にかかっている画面とを見
較べると、いよいよ相違がはっきりしてきた。色調も、なんだか違うようである。これは....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
かり気色を悪くしていた係官たちを救った。 広間に入って来た三津子は、事件当時に
較べるとすっかり窶《やつ》れ果て、別人のように見えた。それでも生れついた美貌は、....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
究は独得なる発展を遂げ、今世界中で一等科学の進んだアメリカや、次位のドイツなどに
較べると、少くとも四五十年先に進んでいると、或る学者が高く評価している。だから、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
蔭ったような足許から、目を上げて、兀げた老人の頭と、手に持った梨の実の白いのを見
較べる。 婆さんが口を出して、 「御隠居様は御遠方でいらっしゃるのでございます....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
入って来ましたから。…… ところで、俯向いていた顔を上げて、それとなく二人を見
較べると、私には敵らしい少い人の方が、優しく花やかで、口を利かれても、とろりとな....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
なくなってしまった。が、間もなく振り返ると、微笑を浮べながら二人の証人を等分に見
較べるようにした。勿論雄太郎君も戸川差配人も、すぐに蜂須賀巡査の意中を悟って大き....
「三人の師」より 著者:上村松園
はなされたと聞いている。 私などの縮図やスケッチに駈け廻るぐらい、先生の写生に
較べると物の数にもはいらないのである。 入塾した当時は、偉い門人の方が多かった....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
の娘さんたちがよくはわせというのは、今の鬘下地の輪毛を大きくしたもので、鬘下地に
較べるとズッと上品なものです。 その頃桃割を結っている娘さんもありました。桃割....
「米」より 著者:犬田卯
、ひでえや、ぽそくさで、味も何もねえ。」 「ふでもどうだか、こっちの死米の麦飯と
較べると、まアだ、外米の方がよくねえか。」 「うむ、どんなもんだかよ。」 「今年....
「画道と女性」より 著者:上村松園
のがあるからだともいえましょう。 若い女性の画家志願に就いて 男性に
較べると女性が絵の修業をするのには、特別にいろいろな困難が伴います。私の家にも何....
「京のその頃」より 著者:上村松園
まで駆け出しては、この流しに聞きとれたものだった。 その頃の祇園の夜桜は、今に
較べるともっともっといい恰好だったが、桜の咲く頃など祇園さんの境内に茣蓙を敷いて....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
果であろう、だいぶ形勢が変ってきた。それより前に日清戦争があったけれども、あれに
較べると、日露戦争はいっそう影響するところが多く、その結果思想界にまで変化を及ぼ....