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輝かす
「輝かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輝かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
であった。彼は彼の制作よりも寧《むし》ろ彼の為人《ひととなり》の裡《うち》に詩を
輝かす病的、空想的の人物であった。未だ見ぬ太宰よ。ぶしつけ、ごめん下さい。どうや....
「筧の話」より 著者:梶井基次郎
がてそれは幻聴のように鳴りはじめた。束《つか》の間の閃光《せんこう》が私の生命を
輝かす。そのたび私はあっあっと思った。それは、しかし、無限の生命に眩惑《げんわく....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ところはね」 と水戸は応《こた》えた。それを聞いていたドレゴは、一段と顔の色を
輝かすと水戸の手を取って引っ立てた。 「おい水戸、これからホーテンスに会おうじゃ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
の灰をポトンと落した。 そのとき卓上電話がジリジリと鳴った。帆村はキラリと眼を
輝かすと、電話機を取上げた。 「帆村君を願います」性急な声が聞えた。 「帆村は私....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
なければ、主義とか理想とかを丸呑み込みにして、それに盲従する単純すぎて鈍重な眼を
輝かす青年が想像されて来る。かの女はまた、かりにピサロの親子間を立派なものに考え....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
や慌て騒いで、しきりに身をもがいても動くことが出来ず、いたずらに電光のような眼を
輝かすばかりであった。一行は先を争って刃を突き立てたが、あたかも鉄石の如くである....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
です。私はそれを信じています。それを信じなくては生きられません。 左衛門 (目を
輝かす)殺生をしても、姦淫をしても。 親鸞 たとい十悪五逆の罪人でも。 良寛 御....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
り、水は滝となって、彼の生命を飾ったのです。抜身の槍の刑罰が馬の左右に、その誉を
輝かすと同一に。――博士いかがですか、僧都。 博士 しかし、しかし若様、私は慎重....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っていたし、生涯《しょうがい》のうちに時たま輝いた仄《ほの》かな光は、彼女の心を
輝かすのに十分だった。メルキオルのひどい仕打も皆忘れてしまって、いいこときり覚え....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ム付近の丘陵を馬上で検分しながら、フリシュモンよりブレーヌ・ラルーに至る地平線を
輝かすイギリス軍の篝火《かがりび》の長い一線を見て満足し、ワーテルローの平原の上....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にしてなおすか? 光明をもってである。
光明は人を健やかにする。
光明は人を
輝かす。
あらゆる社会的の麗しい光輝は、科学、文学、美術、および教育から生ずる....
「地上」より 著者:島田清次郎
光の父容太郎であった。薄暗い土蔵の二階の冷たい静けさ。蒼白い肉体を内からの熱情で
輝かすお信の美しさ。憂鬱な瞳の奥に閃く燐光のような気配の可愛さ。容太郎にはお信が....
「審判」より 著者:カフカフランツ
る笞刑吏などはどうして例外であるはずがあろう。それにKは、あの男が紙幣を見て眼を
輝かすさまをよく観察したし、男は明らかにただ賄賂の金額をせり上げるために、大まじ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いよいよあなたの本性を顕わしてあなたの便宜を謀り、そうして日本人の名誉を我が国に
輝かすようにしたら大いに宜しゅうございましょう」とこういうような愉快な話であった....
「蒼白い月」より 著者:徳田秋声
私が父や兄に対する敬愛の思念が深ければ深いほど、自分の力をもって、少しでも彼らを
輝かすことができれば私は何をおいても権利というよりは義務を感じずにはいられないは....