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輝き
「輝き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輝きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
は、この淡彩の寒山拾得《かんざんじっとく》に落ちると、次第にやさしい潤いを帯びて
輝き出した。
「いつもながら、結構なお出来ですな。私は王摩詰《おうまきつ》を思い....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の弓だの、立派な大将の装いが、まるで雨か霰《あられ》のように、眩《まぶ》しく日に
輝きながら、ばらばら眼の前へ降って来ました。
六
それから....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
外だったばかりではない。その袈裟の顔を見ると、今までに一度も見えなかった不思議な
輝きが目に宿っている。姦婦《かんぷ》――そう云う気が己はすぐにした。と同時に、失....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
けた。彼は嫌でもその言葉に、じっと聞き入るより途《みち》はなかった。
湖は日に
輝きながら、溌溂《はつらつ》とその言葉に応じた。彼は――その汀《なぎさ》にひれ伏....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
した事がある。――そのモノメニアックな眼の色が、殊にこう云う場合には、気味の悪い
輝きを加えるのだった。
旅団参謀は将軍に、ざっと事件の顛末《てんまつ》を話した....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
した。ちょうどその途端《とたん》です。わたしは夫の眼の中に、何とも云いようのない
輝きが、宿っているのを覚《さと》りました。何とも云いようのない、――わたしはあの....
「或る女」より 著者:有島武郎
石なのか。母が当惑して立った姿がはっきり目先に現われた。と思うとやがてその輪郭が
輝き出して、目も向けられないほど耀《かがや》いたが、すっと惜しげもなく消えてしま....
「星座」より 著者:有島武郎
、無害な犬が突然恐水病にかかるようなものだ。じくじくと考えている彼の眼がきゅうに
輝きだして、湯気《ゆげ》を立てんばかりな平べったい脂手が、空を切って眼もとまらぬ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
鎬《しのぎ》を削《けず》る。勝つ者は青史の天に星と化して、芳《かん》ばしき天才の
輝きが万世に光被《こうひ》する。敗れて地に塗《まみ》れた者は、尽きざる恨みを残し....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
滅した、温かい心の働きをしっくりと感じていたからだ。 君ら二人の目は悒鬱な熱に
輝きながら、互いに瞳を合わすのをはばかるように、やや燃えかすれたストーブの火をな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
き遠方に 重量なくまた地にあるごとき限界を知らず 昇りたり――エーテルに今は星も
輝き初めぬ。 それまでは荒涼なる濁りの中に隠されし群も。 この数々の星にこそ人間....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の闇のなかにも三日のあいだ謎のように死んでいた彼の神秘的な幻影はますます明らかに
輝き出した。三日間といえば、その間には太陽が三度出てまた沈み、子供らは遊びたわむ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
る磁気の作用をヂューマに見せたときも、実験がすむと、手をこすって、眼は火のように
輝き、これを自分が発見したという喜ばしさが、ありありと見えたという話である。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の瀟洒な白壁がしとやかに光っているありさまは、純潔なキリスト教精神が暗い幽境から
輝きでるようであった。なだらかな斜面がここから下って、銀箔をのばしたような湖にと....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
れて見える。 知らず知らず時が過ぎ去って、樹間を立ち騰る薄煙のあたりに、仄かに
輝きそめた夕月が見えたりする。人々は名残惜しい焚火と別れて散り散りに退散する。細....