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輪形
「輪形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
輪形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ッはッはッ」 聞いていた二人の士官が、腹を抱えて笑い出した。 「何しろ相手は、
輪形陣だ、その中心の、そのまた中心にいる航空母艦だ。鳥渡、手軽にはゆくまいな」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
戍っているうちに、法水は長い糸を用意させて、それを外側から鍵孔を潜らせ、最初鍵の
輪形の左側を巻いてから、続いて下から掬って右側を絡め、今度は上の方から
輪形の左の....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を引くと、スルリと解けてしまうのを。マア、実験すれば判ることだ。」 法水は鍵の
輪形をお化け結びで結んで、ラザレフの室の扉の前に立った。 「憶えておき給え。最初....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
(作業用紙袋材料を括りたるものを予て貯え、居室内に包蔵しいたるものゝ如し)許りを
輪形に結びたるものを懸け、更に自己の手拭と官給の手拭とを縄状として、それを結合聯....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
口壁の聳えたところに、折り目がいくつか出来ている、そうして近頃の新火口らしい円い
輪形から、貂の毛のような、褐色な房っさりとした烟が、太く立ち上って、頂上から少し....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
けであった。そしてひどく型の古い艇身に、救援隊側からのサーチライトをあびながら、
輪形編隊のなかにとびこんできたが、そのかっこうはなんとなくきまり悪そうに見えた。....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
という航空母艦四隻は勿論のこと、目下建造下のものも出来るだけ間に合わせ、太平洋を
輪形陣で攻めてゆくのさ。母艦の上空には、アクロン、メーコン、ロスアンゼルス、など....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。」 いや、どうも引手あまたで。大連が一台ずつ、黒塗り真円な大円卓を、ぐるりと
輪形に陣取って、清正公には極内だけれども、これを蛇の目の陣と称え、すきを取って平....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
三十分ばかりも這入って居ります、出て来ると楊枝箱に真鍮の大きな金盥にお湯を汲って
輪形の大きな嗽い茶碗、これも錦手か何かで微温の頃合の湯を取り、焼塩が少し入れてあ....
「薬」より 著者:井上紅梅
いものであるが、もう一度、上の方を見ると思わず喫驚した。――紅白の花がハッキリと
輪形になって墓の上の丸い頂きをかこんでいる。 二人とも、もういい年配で眼はちら....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
不思議な色合いであるが、はじめは天頂に落ちて、星を二つ三つ消したかと思うと、その
輪形は、いつか澄んだ碧みを加えて、やがては黄道を覆い、極から極に、天球を涯しなく....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
だ!」――こう紋也が思った時、女の顔がユラユラと揺れて、橙黄色の光が、ぼんやりと
輪形を作っている天井の下を一方へ動いた。
「女は、どこかへ行くのだとみえる」――....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
指にいずれも黒い長い爪を持っていて、それがなかなか有力だ。毛色は真っ黒で、胸に月
輪形の大きな白斑を有している。巧みに樹上によぢのぼることができるけれど、ほかの獣....
「皇帝の使者」より 著者:カフカフランツ
され、ひろびろとのび、高くまでつづいている宮殿前の階段の上には、帝国の高官たちが
輪形をつくって立っている――、こうしたすべての者を前にして皇帝は使者を派遣した。....
「城」より 著者:カフカフランツ
上のほうで引いている、そしてKのいる低いところからとうてい打ち破ることのできない
輪形のことを思ってみた。こうしたすべてがクラムと鷲との共通点だった。だが、きっと....