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「辛労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辛労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
る。なれど、われら答え申すには、ただ御無用になされと申すほかはござらぬ。いかほど辛労なされても、所詮及ばぬことでござる。有様《ありよう》を申せば、われら通辞の者....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
だ。みんなしてこうしておもしろく働くがえいのだろう。田園生活などいうても、百姓の辛労を見物ものにして、百姓の作ったものをぶらぶら遊んで見ていたって、そりゃ本当の....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
設けるのはそれ以上に長く辛かった。一分が十分にも三十分にも思えるのだった。四晩の辛労に肝腎の巨魁を捕える事は出来なかったが、確にその片割れと思える男を取押える事....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
おりはことに荷物の運搬も困難で、宿方役人どもをはじめ、伝馬役、歩行役、七里役等の辛労は言葉にも尽くされないもののあることを思い出した。病み馬、疲れ馬のできるのも....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
はなかったか。昨日、一昨日のことを思いめぐらすと、実に言葉にも尽くされないほどの辛労と艱難とを忍び、共に共に武家の奉公を耐え続けたということも、この日の来るのを....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
や子供には非常に細かく気を遣った。天気が悪いと弟子の行き帰りに、 「おお。シロ(辛労)しかろうなあ」 と眼をしばたたいた。その云い方は普通人の所謂挨拶らしい感....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
月が経ちまた幾年か年が経った。 五年の歳月が飛び去ったのである。 五年に渡る辛労が山吹の体を蝕んだと見えとうとう山吹は病気になった。五歳になった猪太郎が必死....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、科、趣。八幡、これに極った、と鬼神が教を給うた存念。且つはまた、老人が、工夫、辛労、日頃の思が、影となって顕れた、これでこそと、なあ。」 与五郎、がっくりと....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
から浪人の身とは云いながら、武士の娘で武士へ縁付き、夫の出世大事と身を粉に砕きて辛労の甲斐もなく、又我が夫とても数多の人を助けた事こそあれ、塵ほども我が心に愧ず....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のだけれども、レース開始の一時間前までに入場しないと見せてくれないというし、その辛労を三日間つゞける勇気が、とてもなかったのである。 気楽に見ることのできない....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、昨夜考えた「酒場」の名、バー・スワン、いかが、……妹さんご縁組のよし、貴女のご辛労たいへんでしょう。では、お目もじの上、いろいろと。失礼。 準之助 投函して....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
るのだ! 頼母は幸福で胸が一杯であった。武蔵屋での苦闘と、三日間左門を探し廻った辛労とで、頼母は少し痩せて見えた。頤など細まり、張っていた肩など、心持ち落ちたよ....
地上」より 著者:島田清次郎
らんな」 二箱――二千円。凡ゆる忍耐、凡ゆる屈辱、魂と生命の切り売り、その長い辛労の後ではないか。しかもさらに二千円の償いを取る理由がどこにあろう。二千円とい....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
うにというので、御苦労遊ばした甲斐があって、いよ/\御帰参になります、私も永い間辛労致しました甲斐が有って、若旦那さまさえ御帰参になれば此の上ない事ゆえ、何うか....
特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
テツロー、蝋燭をドーソクという。上方でも、疲労した時にオーシンドというのは、オー辛労である。かくの如き類はむしろ自然の変化かもしれぬ。しかし交通が頻繁であれば、....