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辛味
「辛味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辛味の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
目を疑った。すると、天井から雪のようなものが落ちてきた。甜めて見ると唇につうんと
辛味を感じた。それでやっと分った。私は砂川から岩塩の層に落ちこんだのだ。地下水が....
「蕎麦の味と食い方問題」より 著者:村井政善
たものを食べているようであります。これは蕎麦の味などの知ることがない、ただ醤油の
辛味と薬味の味を減ずることと、多く食べて満腹するに過ぎないのである。停車場のプラ....
「野道」より 著者:幸田露伴
を取って人々の為すがごとくにした。球は野蒜であった。焼味噌の塩味香気と合したその
辛味臭気は酒を下すにちょっとおもしろいおかしみがあった。 真鍮刀は土耳古帽氏に....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
て、頃合《ころあい》をはかりながら、だしぬけにドアをあけた。 なりわいの渋味も
辛味も味わいつくした、ひと目でショウバイニンと知れる、若いような老けたような女が....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
かきょう》』にも「蓼ハ辛草也」とある。すなわちその辛辣な味が貴ばれる。そこでこの
辛味ある蓼を本蓼《ホンタデ》とも真蓼《マタデ》ともいっている。そしてその
辛味のな....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
それは肴屋でなくて、八百屋が持って来ました。開いて串に刺して、白焼にしてあるのを
辛味に煮て入れますが、いつまでも飽いたといわれませんのは、きっと油濃くないからで....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
さん」 ○支那にては五味を配合する中にも春は酸味を主として夏は苦味を交え、秋は
辛味を加え、冬は鹹味を多くす。甘味は四時通用なり。これも自《おのずか》ら学理に適....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
のおろしがあれば、油の少しわるいくらいは苦にならぬものである。抜きたての大根で、
辛味が適当であれば、まぐろなどはわさびの必要がないくらいである。大根がわるいから....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
て、しょうゆをつけて食べるとわさびは利く。しょうゆの中にわさびを入れてしまっては
辛味はなくなる。しかししょうゆの味がよくなる。わさびは最も調子の高い味の素と心得....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
へいぜい》好んで辛い物を食べるのはやっぱり土地の暑いためで、支那料理の原則に秋は
辛味を主とすというのも夏の炎暑で胃腸が弛《ゆる》んでいるからそれを刺撃させるため....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
分は必ず何かその時に必要の事があるのでしょう。唐辛《とうがらし》が出来る時分には
辛味のお料理が身体に必要ですし、梅の実のなる時分は人の身体に最も酸味《すみ》を要....
「生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
、京都以外でできているものもないではないが、品が落ちる――となっている。白味噌は
辛味噌からみると、大豆と糀とがかっていて塩が少ないために、甘酒ほどではないが、甘....
「舌のすさび」より 著者:吉川英治
さるが、これはひどく芽のこまい丹精なものである。そして東京のそれとはちがう京都の
辛味がべつな趣きをもっている。 なんのかのと言ってみるが、要するにこっちの舌も....