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「辞表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辞表の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
ている。もしこれが自分の母の如きであったなら決して自殺など為ない。 自分は直ぐ
辞表を出した。言うまでもなく非常に止められたが遂には、この場合無理もない、強《し....
「芽生」より 著者:島崎藤村
ら》を向いても、子供の多い系統から来ている。 翌日、私は学校の方へ形式ばかりの
辞表を出した。その日から私の家ではそろそろ引越の仕度に取掛った。よく大久保の噂《....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
貴方のことです。貴方の仮面さえ剥げば、私はすぐにも辞職しようと……これ、この通り
辞表を用意しています」 総監は懐中から白い
辞表をふってみせた。 「明日だッ。何....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
もの、帝都附近へは百二十機、名古屋へは百五十機が来襲せり」と。 ◯内閣は一昨日、
辞表を提出した。小磯内閣は果してかけ声をかけただけで終り。三月十日の空襲の市街大....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
転椅子がどうだろうがこうだろうが、結局あの蒼白く透き通った歯齦を見ただけで、僕は
辞表を賭けてもいいと思う。まさしく単純失神と断言して差支えないのだ。ところで、こ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
論の破裂、政府の分裂、西郷以下多くの薩人の帰国、参議|副島、後藤、板垣、江藤らの
辞表奉呈はその結果であった。上書してすこぶる政府を威嚇するの意を含めたものもある....
「家」より 著者:島崎藤村
方を向いても子供沢山な系統から来ている…… 翌日、三吉は学校の方へ形式ばかりの
辞表を出した。そろそろ彼の家では引越の仕度に取掛った。よく郊外の噂が出た。雨でも....
「火星兵団」より 著者:海野十三
だ。
そういうことにはなっているが、その実蟻田老博士は、奇怪にも大学当局から、
辞表を出すように命令され、むりやりに名誉教授の肩書をうばわれてしまったのだ。そん....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
」 この報知はたしかに人々の胸をうった、とまた飛報がきた。 「カトレット先生が
辞表をだしたそうだ、漢文の先生は校長を見送ってから辞職するそうだ」 このうわさ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
。ダルトンは傷が癒って病院を出ても、もうジャワの方へは渡らないで、ここから横浜へ
辞表を送って、すぐに本国へ帰ってしまったということです。」 「ほんとうにこてちゃ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
れたのだし、むろん、筆跡には寸分の相違もないし、そうこうの事で、左枝検事はポンと
辞表を投げ出してしもうた」 「自分が起訴をして、死刑になった男が、無罪という……....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
った。 「そうだ、ぐずぐすしていると、手おくれになるかも知れんぞ。朝倉先生はもう
辞表を出されたそうだから。」 そう言ったのは、一年のころから、色の黒い美少年だ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
争議の余波が一応おさまつて、工場の空気もどうやら平静に返つた頃、彼は、社長の許へ
辞表を出した。ところが、社長は極力その翻意を求め、もう一年踏み止まつて、危機にあ....
「入社試験」より 著者:佐藤垢石
ゃなかったのかね」 と、まことに静かにいうのである。 「いえ、僕はやめません。
辞表をだしたことはないと思います」 「そうかね、でも君は社の方ではやめたことにし....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、北支の状況上、東亜連盟を公然強調する勇気を失っていたが、昭和十三年夏病気のため
辞表を提出した際、上官から
辞表は大臣に取次ぐから休暇をとって帰国するよう命ぜられ....