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「農人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

農人の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に響がする。見れば簑笠がいくつも田に働いて居る。遠く見れば水戸様の饌にのりそうな農人形が、膝まで泥に踏み込んで、柄の長い馬鍬を泥に打込んでは曳やっと捏ね、また打....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
都大路の女の着物の色から来るともいうが、津軽海峡をへだてた北海道の平野に、久しく農人の生活を送って来た人の話によると、あちらの春は、野からも山からも来ない。言葉....
婦人改造の基礎的考察」より 著者:与謝野晶子
私は自分の家の雇人の中に多くの勤勉な人間を見ました。また私の生れた市街の場末には農人の町があって、私は幼年の時から其処に耕作と紡織とに勤勉な沢山の男女を見ました....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ばくもあらぬに、 宝うもかくも成りいづ。 くすしきは神のみちから、 たくましきは農人のつとめ。 この辛き、烈しき日々を すこやかに生きねと、 言はいはねども、 ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
らず、吸殻あけなどは簡単な人が持つのでしょう。紙巻煙草が盛んになるまでは、職人、農人などは掌にあけて上手にころがして吸付けたものでした。 根附の材料は種々ある....
間人考」より 著者:喜田貞吉
ずんば到底我が社会史は完成すべきものでない。部曲と云い、雑戸と云い、非人と云い、農人と云うもの、多くはこれと因縁を持っている。現代の一切の民衆かつては大抵この階級を経て来たものなのである。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
き通りましたよ、という者がある。 どこで、どこで。 なに高津の真言坂を降りて農人橋のほうへ行ったと。そして橋は越えずに東堀の刀屋の店頭でも見たというか。 ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、お所を伺っておこう――」と堤を下りた。 「どうぞ、お出まし下さいませ。場所は、農人橋の東詰、そこは四国屋の出店でござりますが、東堀の浄国寺に添った所が、大阪へ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
衛門ニ渡シ、其後九郎兵衛請取、コノ人耕作勝手ニ付、宮本ヨリ十町バカリ下ヘ罷リ出、農人仕リ居リ候 とあるから、かなり成人の後、離郷したことは明らかで、なお同書の....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
あって、なるべく多く自分自分の家の者だけで、生産を完了しようという念慮が、個々の農人の中に現われて来たことである。勿論そうすることが同時に第一の目的にも合致した....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
エタ源流の一つをもなしたものであるが、その庭掃、すなわち掃除夫が、歌合せに於いて農人と相合せられているが如きは、以て当時の状勢を見るべきものであろう。それ以外の....
身の上や」より 著者:長谷川伸
れ竹八月に木六月、茨の首は今が切りどき」という落首さえあったその頃、茨木理兵衛は農人群の悪罵のうちに、一方では岡本五郎左衛門の一揆鎮撫が功を奏しつつあるとき、帰....