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「農兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

農兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乱世」より 著者:菊池寛
が、右の肩口には、いずれも錦の布片を付けていた。彼らは、美濃に入ってから、所在に農兵を募った。美濃の今尾、竹越伊予守の城下に達したときは、同勢七百人に近かった。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ん、征討軍の鉄砲や大筒は古風で役に立たなかったそうですね。なんでも、長防の連中は農兵までが残らず西洋の新式な兵器で、寄せ手のものはポンポン撃たれてしまったと言う....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
認めてある。三郎兵衛はまた、百姓仲間が難渋する理由の一つとして、尾州藩が募集した農兵のことを書き添えることを忘れなかった。その覚え書きを見ると、付近の宿々村々か....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の益があろうかと。大輔をののしるのはすなわち干城をののしるのであった。元来利秋は農兵を忌みきらって、兵は士族に限るものと考えた人であった。これが干城と利秋との永....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
》し、瘠土《せきど》を開拓して膏腴《こうゆ》の地となし、暗礁を除いて航路を開き、農兵を置き、薬草を植え、蜜蜂を飼い、蛤蜊《こうり》を養殖するなど、鋭意新政を行っ....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
治観念はどういう時でも市民常識に基かずには成り立たない。従って軍部団にだけ特有な農兵一如への復古主義は、それだけではまだ政治観念となる資格がない。処が又小市民的....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃんは返答に窮してしまったが、折よくそこへ来合わせた兵隊が一人、 「もはや、あの農兵の組合せが出来上りまして、いつにても調練の御検閲をお待ち申しております」 「....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
アイルランド鎮圧に向かったが、宮廷内の陰謀と、女王の経済と、そして、アイルランド農兵の蛮勇が彼にはあまりに苛烈だったわけで、なんの成果をあげることもできず、結局....
福沢諭吉」より 著者:服部之総
。「先生がこの書を翻訳された由来は、当時長州征伐のことあり、長州方は小人数でかつ農兵などを使用したが、その武器は新式であって、なかんずくライフルのごとき、その勢....
三国志」より 著者:吉川英治
はかねてから新野の戸籍簿を作って、百姓の壮丁を徴募しておいた。城兵数千のほかに、農兵隊の組織を計画していたのである。 次の日から、彼はみずから教官となって、三....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
の高松城はそれなのである。毛利家の被官、清水長左衛門|宗治が、わずか五千の士卒や農兵と共に、餓死してもと、死守している敵城なのであった。 猿殿の総軍は、約三万....