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「農夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

農夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
を眺めながら、青田《あおた》の間《あいだ》を歩いて行った。するとたちまち道ばたに農夫の子らしい童児が一人、円《まる》い石を枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
幸いにも、両親の無知に染まっていない。これは山里村《やまざとむら》居《い》つきの農夫、憐《あわれ》みの深いじょあん孫七《まごしち》は、とうにこの童女の額へ、ばぷ....
或る女」より 著者:有島武郎
り回していた。何事にまれ真剣な様子を見せつけられると、――わき目もふらず畑を耕す農夫、踏み切りに立って子を背負ったまま旗をかざす女房《にょうぼう》、汗をしとどに....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
背からは水蒸気が立昇った。戸を開けて中に這入《はい》ると馬車追いを内職にする若い農夫が三人土間に焚火《たきび》をしてあたっていた。馬車追いをする位の農夫農夫の....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
酒場の隅には王子がパンを噛じっている。王子のほかにも客が七八人、――これは皆村の農夫らしい。 宿屋の主人 いよいよ王女の御婚礼があるそうだね。 第一の農夫 そう....
親子」より 著者:有島武郎
て一か所、作物の殻を焼く煙が重く立ち昇り、ここかしこには暗い影になって一人二人の農夫がまだ働き続けていた。彼は小作小屋の前を通るごとに、気をつけて中をのぞいて見....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
海を進みゆく。 船夫は風に帆を張るすべを知れど 行方は何處とさだかには知り難し。農夫は心して土地の仕切り定めぬ、 さなくば光や空気と同じく持主は定め難からん。 ....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
おじいさんと仲よしになりました。それはロムバルディの人で、ロサーリオの町の近くに農夫をしている息子をたずねてアメリカへゆく人でした。 マルコはこのおじいさんに....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た音楽の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥....
狂人日記」より 著者:秋田滋
知らぬ人が、野にも町にも、うようよと動いている。そこには耕すことしか知らぬ愚昧な農夫と、スープをつくることと子供を生むことしか知らぬ醜い女とがいる。印度に行って....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ものだから、というと、 「いや、全くそれは降参(浩さん)しやしたね」といってその農夫は、不精髭に蔽われた熊のような顔でにやり笑ったのであった。....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
丁度秋の中旬だった、当時田舎屋を借りて、家内と婢女と三人で居たが、家主はつい裏の農夫であった。或晩私は背戸の据風呂から上って、椽側を通って、直ぐ傍の茶の間に居る....
迷信解」より 著者:井上円了
話がある。すなわち、「先年、尾州中島郡にて堀田某氏がある家の座敷より望むに、日中農夫の糞桶を担ぎ、ひしゃくを手にし、作物の上をも顧みず歩き回り、西するかと思えば....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の状を呈し、僧侶はその下等の地位にいたりては学識はなはだ乏しく、生計大いに困し、農夫、役夫を去ること遠からずという。 イタリアはローマ宗をもって国教と定め、そ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
しなく、黄塵の路は禿山につづく。一年中雨の林や谷をうるおすこともなく、水を貯めて農夫は砂糖きびの畑にまいているのである。) 秘露天無水去来頻。 (秘露の空は雨を....