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農婦
「農婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
農婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
袋の性《しょう》を受けてるとみえて、それこそ徹頭徹尾《てっとうてつび》いまのソノ
農婦というでもないが、シカシともかくも教育はないの――そんなら人のいうことならハ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
熊掌《ゆうしょう》にさえ飽き足りる程、富裕にもして下さいますな。
どうか採桑の
農婦すら嫌うようにして下さいますな。どうか又後宮の麗人さえ愛するようにもして下さ....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
の一日《ひとひ》の烈しい労働が今は最早《もう》始まるのでした。 既に働いている
農婦も有ました。黒々とした「のっぺい」(土の名)の畠の側を進んでまいりますと、一....
「火の唇」より 著者:原民喜
しくて、口惜しくて、あの嫁を喰《く》いちぎってやりたい」 飢えてはいない隣家の
農婦が庭さきで歯ぎしりしていた。その言葉は、しかし、ぴしりと僕を打った。喰いちぎ....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
もちゃや駄菓子を並べた露店、むしろの上に鶏卵や牡丹餅や虎杖やさとうきび等を並べた
農婦の売店などの中に交じって蓄音機屋の店がおのずからな異彩を放っていた。 器械....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
風習らしいが、正代も風呂敷や何かの布れでいつもすっぽりと頭を包む。まるでロシアの
農婦の被るプラトオクのようだ。 その格好でどんな土砂降りの雨の中でも平気だ。時....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
国守とか郡守とか豪族とかいう家柄の若君をいうので、歌う者はそれよりも身分の賤しい
農婦として使われている者か、或は村里の娘たちという種類の趣である。一首の意は、稲....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
住むお兼母子のことであった。
栄三郎が生まれたとき、母の乳の出がわるくて千住の
農婦お兼を乳母《うば》として屋敷へ入れた。お兼には孫七という栄三郎と同《おな》い....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
らんどうで、ただ片側の壁に幅の狭い棚のような腰掛があるだけである。乗合わせた農夫
農婦などは銘々の大きな荷物に腰かけているからいいが、手ぶらの教授方以下いずれも立....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
いつ懼れつ、売り手の目ばかりながめてはそいつのごまかしとを見いだそうとしている。
農婦はその足もとに大きな手籠を置き家禽を地上に並べている。家禽は両|脚を縛られた....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
頂上からぴょこんと空中へ今正に飛び出した所だと云ったような剽軽な恰好をしている。
農婦の派手な色の頬冠りをした恰好がポーランドあたりで見かけたスラヴ女の更紗の頬冠....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
昔は可愛く、小さく、クリクリしていたが、今は健康な、土の命をうつしたような逞しい
農婦になっている。あのころ可愛いゝと思った顔は、まだいくらか面影はあるが、頬はこ....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
は、その他の人生の尊いものもどう取り扱われるかしれている。たとい田の畔での農夫と
農婦との野合からはいった結婚でさえも、仲人結婚より勝っている。こんな人生の大道を....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
、大明神の言葉を人間に受け次いでやると言うのだった。 祠は急に賑い出した。或る
農婦の、一昼夜も断続していた胃痙攣が、その御供物の一つの菓子でぴったりと止んだか....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
子を持って来い。貴様は待っておれ。』と、彼は格子越に書留の手紙を彼に差出している
農婦に怒鳴り付る。『俺の用のあるのが見えんのか。いや過去は思い出しますまい。』と....