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辺り
「辺り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辺りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しにちょうどそこの停留所に車を留めた。 御嶽山を少し進んだ一ツ橋|通を右に見る
辺りで、この街鉄は、これから御承知のごとく東明館前を通って両国へ行くのである。 ....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
と道標の杙が立って居て、その側に居酒屋がある。その前に百姓が大勢居る。百姓はこの
辺りをうろつく馬鹿者にイリュウシャというものがいるのをつかまえて、からかって居る....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
はい、どこも何ともなさいませんか。」 お雪と呼ばれた花売の娘は、優しく男の胸の
辺りで百合の姿のしおらしい顔を、傾けて仰いで見た。 「いえ、何、擦剥もしないよう....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
冷い風が面を打って、爪先寒う湛えたのである。 水の面は秋の空、汀に蘆の根が透く
辺りは、薄濁りに濁って、二葉三葉折れながら葉ばかりの菖蒲の伸びた蔭は、どんよりと....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
やはり支那かもしくは印度あたりから伝えられたものであろう。というのは、今でも印度
辺りでは客に出す食物は、大抵木の葉に盛って捧げられる風習がある。つまり木の葉は清....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
る蛇の玩具と同じである。全く作り方が同じである処から見ると、この玩具は初め印度|
辺りから渡ったものらしい。もっとも今は伊香保だけしか売っていないようですが、昔は....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
所に、川近く、気持のいい古い百姓家が立っていました。そしてその家からずっと水際の
辺りまで、大きな牛蒡の葉が茂っているのです。それは実際ずいぶん丈が高くて、その一....
「取舵」より 著者:泉鏡花
盲いたり。 木綿袷の條柄も分かぬまでに着古したるを後※の杖と一蓋の菅笠とを膝の
辺りに引寄せつ。産は加州の在、善光寺|詣の途なる由。 天気は西の方曇りて、東晴....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
軍鶏の頸を捕えようとした鉄は、両の掌で目を蓋して背後へ反った。 軍鶏はその肩の
辺りまで素直に宙へ飛んだのである。 その脚の地に着くともろともに身を飜えしてど....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
たしてしからば、その声は、もとより唇舌の間に発するものにあらずして、多分|咽喉の
辺りより発するものなるべければ、これを聴きてその位置を指定し難きも、もとより当然....
「妖怪学」より 著者:井上円了
によるなどと申す由に聞き及べり。 しかるにまた、先年ある人の話に、東京府下駒込
辺りのある信者の家に、念仏行者体のもの止宿して、参詣人の手の掌中に「仏」の字五つ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、方言「のじこ」と称する小鳥は、すでに飛逃してあらず。籠もまた破れて、羽毛のその
辺りに紛々たるを認め候。このとき、小生は前夜の夢想を考え合わせ、さても不思議なる....
「迷信解」より 著者:井上円了
その実は同じようなものじゃ。この人狐のことを、あるいは狐持ちとも申す。また、芸州
辺りにてトウビョウというものがある。あるいはこれは蛇持ちともいう。石見にては土瓶....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
り一尺ぐらいの所を結ぶ、云云」とあり。また、ある無名氏よりの報知によるに、「大阪
辺りにて用うるものは、竹の長さ各一尺五寸にて、左よりの麻縄をもってこれを縛し、(....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。午前七時、木曜島に着岸す。これ豪州の北端なり。検疫および旅行者の調査あり。この
辺り小嶼海中に群立す。月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、土曜の六島その主なるものなり....