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辻待ち
「辻待ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
辻待ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
うな、又は恐ろしいような気もする話である。 次はタキシーだの何かいう貸自動車と
辻待ち自動車で、福岡のメートル自動車と同様なものである。賃金は東京の真中から端ま....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
。 これではうっかり団子も丸められない。(昭和十年十月十日) *
辻待ちの円タク、たとえば曙町まで五十銭で行かないかというと、返事をしないでいきな....
「道標」より 著者:宮本百合子
のようにでも価をひかれると、もうそれで気をよくして払った。あいにくモスク※では、
辻待ちの橇も露天商人も、素子のその癖を刺戟する場合が多かった。伸子は、こういうこ....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
たかって人間と猫の内臓模型をあかず眺める。緑色の円い韃靼《だったん》帽をかぶった
辻待ち橇の馭者が、その人だかりを白髯のなかからながめている。 中央電信局の建築....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
それをさらに風呂敷に包んだ。それからそれを懐中した。 編笠を冠って旅籠を出た。
辻待ちの駕籠へポンと乗った。 「根岸まで急いでやってくれ」 「へい」と駕籠は駈け....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
按摩の笛が耳に入る。 「旦那、駕籠《かご》はいかが」 とある柳の木の下、これは
辻待ちの駕籠屋ですから、喫驚《びっくり》するには当りません。 「旦那、いかがです....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なってしまいました。 三十六 これより先、代官屋敷からは程遠からぬ三本松の辻に
辻待ちをしていた二梃の駕籠《かご》、都合四人の雲助が、客を待ちあぐみながら、こん....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
はや多門の耳へははいらなかった。
お駕籠を、と老爺が言うのを、
「なに、九段で
辻待ちをつかまえる」
と、したくもそこそこに、多門は徹馬とつれ立って屋敷を走り....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
壺のふたをとって、内部《なか》を見たものはないのである。
気が気でない与吉は、
辻待ちの駕籠に左膳を押しこんで、自分はわきを走りながら、まっしぐらに本郷へ……。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
しみやがると、モーロー車夫の捨吉は毛布をひっかぶって上野広小路にちかい小路の角で
辻待ちをしていた。上野駅には車夫集会所というのがあって、駅の車夫はそこに詰めるの....