辻斬り[語句情報] » 辻斬り

「辻斬り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辻斬りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
まった。 九 次郎左衛門を驚かしたのは、そのころ折りおりに行なわれる辻斬りであった。意趣《いしゅ》も遺恨《いこん》もない通りがかりの人間を斬り倒して....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
かけたのも、ひっきょうは帰り途のさびしいためであった。この頃、柳原の堤《どて》に辻斬りが出るという物騒な噂があるので、お里はそんなことを言い出して足がすくむほど....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
高崎屋という小さい質屋へ押込みがはいりました」 この頃の江戸はまったく物騒で、辻斬りや押込みの噂は絶えない。単にそれだけならば、さのみ珍らしいとも思えなかった....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、死骸を河へ投げ落としたのであろうと察せられた。 検視の上、このごろ流行る辻斬りの仕業《しわざ》であろうということになったが、辻斬りをする者がその死骸をわ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あらためて申すまでもありませんが、その頃は幕末の騒がしい最中で、押込みは流行る、辻斬りは流行する。放火は流行る。将軍家は二月に上洛、六月に帰府、十二月には再び上....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も、被害者の所持品を取ったという噂はなく、単に突いて逃げるばかりで、つまり一種の辻斬りのたぐいである。なまじいに人の物に眼をかけないだけに、その手がかりを見つけ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なくなった。彼はほかの武士を表へ呼び出して、諭すようにささやいた。 「あなた方が辻斬りでないことは私も大抵察しています。ふたり連れで駕籠にのって、辻斬りをしてあ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
中の取締りも決しておろそかにはしなかった。町奉行所ではこの頃しきりに流行るという辻斬りに対して、厳重に探索の網を張ることになった。庄兵衛も薄うすそれを覚らないで....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
へおきたを呼び出し、貝塚三十郎はそう云った。おきたの心を喜ばせるため、幾度となく辻斬りをし、金を取ったことを感付かれ、手が廻ったということを、云いにくそうに三十....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ない気がする。 若い連中は日本刀の斬れるやつを携えて、何でも二晩か三晩つづけて辻斬りに出かけて行つたが、何度も失敗して遂にあきらめてしまつた。 それでも最後....
剣侠」より 著者:国枝史郎
噂、どんな辻斬で?」と前田主膳という武士が訊いた。 「撞木杖をついた跛者の武士が辻斬りをするということで厶るが」 「その噂なら存じて居ります」 「不思議な太刀使....
」より 著者:岡本綺堂
ら、世の中はひどく騒々しい。将軍家のお膝元という江戸も頗る物騒で、押込みの強盗や辻斬りが毎晩のように続く。その八月の十二日の宵である。この年は八月に閏があったそ....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
光っていた。海辺の茶屋はとうに店を締めてしまった。この頃は世の中が物騒になって、辻斬りがはやるという噂があるので、まだ宵ながらここらの海岸に人通りも少なかった。....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
社会的施設の知識についても、警察制度の発達や、交通機関の発達のため、追剥ぎ、辻斬り、水盃をして旅立ち等の悲惨事は絶無になりましたが、他方に失業問題や、階級闘....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
易に百姓町人を斬り捨てた武士、人を斬るのが恐ろしくては戦場に立てぬと、無辜の人を辻斬りして、胆力を養うの必要をまで感じた武士、その武士の子孫が、残忍性遺伝の問題....