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「辻車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

辻車の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
れが鞍掛橋《くらかけばし》の停留場へ一町ばかり手前でしたが、仕合せと通りかかった辻車が一台あったので、ともかくもその車へ這い上ると、まだ血相を変えたまま、東両国....
或る女」より 著者:有島武郎
《くらやみ》の中にただ一人《ひとり》取り残されていた。葉子はなんという事なくその辻車《つじぐるま》のいた所まで行って見た。一台よりいなかったので飛び乗ってあとを....
三枚続」より 著者:泉鏡花
奥様は赤十字だの、教育会、慈善事業、音楽会などいうものに取合って、運動をするのに辻車で押廻すという名代のかわりものなんだけれども、怒ったろう、皆驚いたろう、乱暴....
註文帳」より 著者:泉鏡花
います、」 「ちっと擦剥いた位、怪我も何もしないけれども。 それだもんだから、辻車に飛乗をして、ふらふら眠りながら来たものと見えます。 お話のその土手へ上ろ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
分で自分の両眼のやにを拭いた。 お袋がいずれ挨拶に来るというので、僕はそのまま辻車を呼んでもらい、革鞄を乗せて、そこを出る時、「少しお小遣いを置いてッて頂戴な....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
ても、車夫は成りたけのろ/\挽いて、困ると酒手が出たらそれから早く挽こうという、辻車は始末にいかない。幌が少し破れて、雨がぽたり/\と漏ります。梶棒の尖端を持っ....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
では、別な車で坂道を上らなければならなかった。おげんはとぼとぼとした車夫の歩みを辻車の上から眺めながら、右に曲り左に曲りして登って行く坂道を半分夢のように辿った....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
り身な、色の白い、額の広い女で祖母の姪《めい》だけに何処《どこ》かよく似ていた。辻車に乗って来て、気分がわるいと言った。それなら早く帰る方がよいだろうと、その車....