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込み上げる
「込み上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
込み上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
て、逃げッちまったんでしょ」 「そうじゃない。君がかくしたんだ、君が――」 と
込み上げる口惜しさをジッと耐えながら、眼を血走らせて、 「僕達の間を割いたのは君....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
い芽の一つに触れると、どういうものか、すぐ、むす子のことを連想して、胸にくっくと
込み上げる感情が、意識された。 かの女は、潜り門に近い洋館のポーチに片肘を凭せ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
のだ、愈々化けの皮を引剥《ひんむ》いて恨みを晴らす時が来たと、嬉しさに腹の中から
込み上げる笑いを世辞に紛らせて了うのだ、此の様な事は総て女の長所だが取り分けてお....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
円盤レコードの音に悩まされた印象がかなり強く残っている。船にいくじがなくて、胸に
込み上げる不快の感覚をわずかにおさえつけて少時の眠りを求めようとしている耳元に、....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
」 「から――からっ咳が出て……」と云い懸《か》ける途端《とたん》にまた二つ三つ
込み上げる。小野さんは憮然《ぶぜん》として咳の終るを待つ。 「横になって温《あっ....
「息を止める男」より 著者:蘭郁二郎
こめかみの辺の脈管の搏動が頭の芯まで響いて来る。胸の中は空っぽになってわくわくと
込み上げる様になる――遂、堪らなくなって、ハアーと大きく息を吸うと胸の中の汚いも....