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迎合
「迎合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迎合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
そ天邪鬼な快感があった。デカダンスの作家ときめられたからとて、慌てて時代の風潮に
迎合するというのも、思えば醜体だ。不良少年はお前だと言われるともはやますます不良....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
として特異な地位を占めてはいたが、日本のファンの一般的な趣向と会社の営利主義とに
迎合する事が出来ず、映画界を隠退して、一個の自由研究家として静かな生活を送ってい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
雑作で平気だった。しかしそれも、故意に無雑作をよそおっていた。無雑作のかげから、
迎合する調子がとび出した。 小山は、支配人が興味を持つことなら、もう十年間も土....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、新しいものを受けいれ、時と共に推し移ろうとする兄と、めまぐるしく変わり行く世に
迎合するでもなく、さりとて軽蔑するでもなく、ただただながめ暮らしているような昔|....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
念願とする。それが真の仁者である。が、世には往々仁者の偽物がある。それ等は自己に
迎合阿附する者のみを愛し、これに金品を与えて虚名を博すべく努力する。 それから....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
だ。 それをさせなかったものは、もろもろの彼の虚弱だ。そして彼は現世のファンに
迎合し、歴史の中のM・Cにならずに、ファンだけのためのM・Cになった。 「人間失....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
すなら、九州各地の切支丹武士が合流するに相違ない。有馬、黒田、大村、宗など幕府に
迎合して棄教はしたが曾てはいづれも有力な切支丹の保護者であつたし、細川はガラシャ....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
り、軽率な急進的外形を見せるものである。 たとえば、落語家が、戦争中は、軍部に
迎合して、エロ落語を地下にうずめて塚を立て、いっぱし高座の上から、軍国的お説教を....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
?」 「このごろの青年たちは、とかく指導者の前では存分にものが言えない。言っても
迎合的なことを言う。これは指導者があまり急いで結論を押しつけるからじゃないかと思....
「光は影を」より 著者:岸田国士
仕の鎖 威圧は熱風と吹き 沈黙は冷雨と注ぎ ひそかに忍びよる功利の波は 巧まざる
迎合の磯に打ち寄せ みよ、強いられし笑いの後に来るもの 得々たる泣訴哀願 時に身....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
もつて国境を越えて行くなら、それはよろこばしいことであるが、最初から他の民族への
迎合を考えて右顧左眄し始めたらそれはすでに芸術の自殺である。 およそ民族にはそ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
物小屋があって、勤番武士とか、お上りさんとか、そういう低級の観客の趣味に、巧みに
迎合させていた。講釈場もあれば水芸、曲独楽、そんなものの定席もできていた。 曲....
「決闘」より 著者:神西清
ましたよ。だからはじめは、君が舞踏病に罹ったのかと思った。」 ラエーフスキイは
迎合的な微笑を見せたが、心に思った。 『なんて無遠慮なものの言い方をする奴だ。お....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
無言の睨み合いをした後終に引退してしまった。二葉亭は本来|狷介不覊なる性質として
迎合屈従を一要件とする俗吏を甘んじていられないのが当然であって、八年の長い間を官....
「衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
が、どうしても商売として繁盛せねばならない条件があるのでお客の意見を聞き、それに
迎合するという意味のみになって、料理から個性というものが失くなり、ただ上っすべり....