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「近国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

近国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、広い京の町に燕《つばめ》一羽の飛ぶ影もみえなかった。それが京ばかりでなく、近郷近国《きんごうきんごく》いずれもこの大旱《おおひでり》に虐《しいた》げられて、田....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に出ていたこともあった。方々の寺内で縁日の小屋掛け興行に出たこともあった。近在や近国の祭礼などに出稼ぎに行ったこともあった。本職の芸当はなかなか上手であったが、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
自由もなしに奥州路にはいった。 二 この年は正月から照りつづいて江戸近国は旱魃に苦しんだと伝えられているが、白河から北にはその影響もなくて、五月の末....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、お歌は肩揚げのおりないうちから親のもとを飛び出して、武州、上州、上総、下総の近国を流れ渡っていた。彼女は若粧りを得意として、実際はもう二十四、五であるにも拘....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
諸芸に携わり、風雅を楽む、就中、好んで心学一派のごとき通俗なる仏教を講じて、遍く近国を教導する知識だそうである。が、内々で、浮島をかなで読むお爺さん――浮島爺さ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
近く大正の末である。一夜に二件、人間二人、もの凄い異状が起った。 その一人は、近国の門閥家で、地方的に名望権威があって、我が儘の出来る旦那方。人に、鳥博士と称....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
方でざらりざらりと、湯女が湯殿を洗いながら、歌を唄うのが聞えまする。 この界隈近国の芸妓などに、ただこの湯女歌ばかりで呼びものになっているのがありますくらい。....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
第一と世に知られたこの武生の中でも、その随一の旅館の娘で、二十六の年に、その頃の近国の知事の妾になりました……妾とこそ言え、情深く、優いのを、昔の国主の貴婦人、....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の中心舞台は安房よりも江戸であって、事件が多くは江戸あるいは江戸人に親しみのある近国で発展したのが少なくも中央|都人士の興味を湧かさした原因の一つである。殊に一....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
第一には物見の櫓で、次には日本に二つとないこのような楼閣を築きあげて、何がなしに近国の敵どもをおびやかす計略であったかも知れぬ。あの絶頂に登りつめて瞰おろしたら....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
代の学者たちの洋行で、奥州めぐりを済まさないと、一人前の宗匠とは言われない。加賀近国では、よし、それまでになくても、内外能登の浦づたいをしないと、幅が利かなかっ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
……忘れもせんぞに、私が十三か四の頃や、洞斎兄さえ、まだ、尾山(金沢を云う。近国近郷の称呼。)の、あんたの家へ寄宿せぬさき、親どもに手を曳かれて、お城下の本....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
種々、時々だというけれど、いつも声がして、近づいて姿が見える――とそういうのが、近国にも響いた名所だ。町に別嬪が多くて、山遊びが好な土地柄だろう。果して寝転んで....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
親も退かず、死ぬるが上を乗り越え乗り越え、死生知らずに戦ふ。御方の兵と申すは畿内近国の駆武者なれば、親手負はば其れに事づけて一門引連れて子は退く。主討たるれば、....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
聞をとりあげた。すると偶然、阿寒国立公園に探鉱者殺到、という記事が目に触れた。最近国立公園区域でも鉱区が許されるという法令が出て以来、すでに有望視される鉱脈が相....