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返す返す
「返す返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
返す返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
の力には期待して居りますので必ずや相当以上の活動をしていることと思って居ります。
返す返す済まないが、右の事情を御賢察のうえ御|寛恕《かんじょ》下さい。しかし貴兄....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
《のち》の後《のち》の事までもすっかりわかる。妃の素性もわかるに違いない。成程、
返す返すもよい工夫だ。では今から直ぐに話してくれ。四人一所に聞いていようから」 ....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
まするゆえ、今暫く御猶予願わしゅう存じまするとのことで厶ります」 「何を言うぞ!
返す返すも人を喰った老人共じゃ。武士の本懐存じておらば、三日も寝ずに論議せずとも....
「八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
は元親公の甥婿でござらぬか、この勝賀野がおったなら、やみやみと腹を切らせまいに、
返す返すも残念なことをしたものじゃ、其処許達は、定めてこの次郎兵衛を打ちに参った....
「蒲団」より 著者:田山花袋
罫の入った西洋紙に横に細字で三枚、どうか将来見捨てずに弟子にしてくれという意味が
返す返すも書いてあって、父母に願って許可を得たならば、東京に出て、然るべき学校に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
仕掛を、能登守は一つも覚《さと》ることなくしてこの場に身を置くようになったのは、
返す返すも気の毒なことであります。 太田筑前守は程よくこの会議を切上げる挨拶を....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
おそらく日本人がいちばん長じているはずだと思われるのに、その長所を利用しないのが
返す返すも残念なことである。 五 イワン ドブジェンコのこの映画にも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろうに、惜しいことに、その辺の注意が行届かなかったから、こういうことになったのは
返す返すも残念でありました。 「こりゃ気狂《きちが》いだ」 長居をしてはどうい....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
rie、煩悩はたけり、信仰は脅かす。精進潔斎のその日に、女人を得ようとしたのは、
返す返すも悲しいめぐり合わせでした。 私はそれから、来る日来る日うつらと送りま....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、国許でということになる。丁度幸い、南玉も、旅慣れておるし、庄吉も――この男は、
返す返すも不運での」
「先生、そいつまでは、仰しゃらずに――お嬢さん、ちょいと、....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
適した強い拍子に値うて、胸を張っていたのだ。其程感に堪えた万葉風の過ぎ去るのは、
返す返すも惜しまれる。歌壇に遊ぶこうした年少不良で、享楽党の人々は、万葉ぶりに依....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
みるのであったが、凡庸の悲しさ、ただ自失して遁走するの芸当しか知らなかったのは、
返す返すも残念である。 さて、昔の若き友人は老友となって、私の病床を慰めながら....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て、この一点については論者輩がいかに千言万語を重ぬるも到底弁護の効はなかるべし。
返す返すも勝氏のために惜しまざるを得ざるなり。 蓋し論者のごとき当時の事情を詳....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ば即ちこれこそ予約されていたのである。 噫々今にして花火線香の玉を消したことは
返す返すも残念でならない。も五年でも、十年でもいい、もっともっと火華を散し、火華....
「大力物語」より 著者:菊池寛
を引き倒すと、そのまま引きずって、国府の門外へ連れ出した。国司は、青くなって、「
返す返す」と、悲鳴を揚げた。この女は、呉竹をねり糸のように、くしゃくしゃにする位....