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「返事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

返事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
う二月ほど前に、若槻と別れたというじゃないか? なぜ別れたと訊《き》いて見ても、返事らしい返事は何もしない。ただ寂しそうに笑いながら、もともとわたしはあの人のよ....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
せん。あそこに御出でになる御客人です。」――人の好さそうな内弟子は、無頓着にこう返事をした。 それ以来喜三郎は薬を貰いに行く度に、さりげなく兵衛の容子《ようす....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
! お前には悪魔がついたのだよ。祈っておくれ。祈っておくれ。」 しかしおぎんは返事をしない。ただ眼は大勢《おおぜい》の見物の向うの、天蓋《てんがい》のように枝....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
がに驚いたと言うことです。のみならず半之丞は上さんの言葉にうんだともつぶれたとも返事をしない、ただ薄暗い湯気《ゆげ》の中にまっ赤になった顔だけ露《あら》わしてい....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「そうだねえ。何も京大阪と云うんじゃあるまいし、――」 地理に通じない叔母の返事は、心細いくらい曖昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
半三郎はびっくりした。が、出来るだけ悠然《ゆうぜん》と北京官話《ペキンかんわ》の返事をした。「我はこれ日本《にっぽん》三菱公司《みつびしこうし》の忍野半三郎」と....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《はし》にも棒にもかからぬ男だった。僕は横になったまま、かなり大声《おおごえ》に返事をした。 「哀《あわ》れっぽい声を出したって駄目《だめ》だよ。また君、金《か....
」より 著者:芥川竜之介
棟《むね》ばかりは、燕《つばめ》さえも巣を食わないらしい。…… 翁《おきな》が返事をしないので、青侍はまた語を継《つ》いだ。 「お爺《じい》さんなんぞも、この....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
にいる露柴《ろさい》へ話しかけた。が、露柴はうんとか、ええとか、好《い》い加減な返事しかしてくれなかった。のみならず彼も中《あ》てられたのか、電燈の光に背《そむ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
こですか? あすこには、何とかいう印度人の婆さんが住んでいます」と、気味悪そうに返事をすると、匆々行きそうにするのです。 「まあ、待ってくれ。そうしてその婆さん....
狂女」より 著者:秋田滋
悲しい悲しい目にあったことが因で、十五年このかた、ああして寝たッきりであるという返事。しかし、彼にはどうもそれが真実だとは思われなかった。哀れな狂女が床を離れず....
初雪」より 著者:秋田滋
に逆らうのもどうかと思う心から、ただ頸をたてに掉って、無言のうちに「行く」という返事をしてしまったのだった。彼女は物ごとを余りくよくよしない、生活というものを愉....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
てやった。この手紙も今に残っているそうであるが、公表されてはおらぬ。 デビーは返事をよこして、親切にもファラデーに面会してくれた。この会見は王立協会の講義室の....
寡婦」より 著者:秋田滋
書きました。その手紙は母親たちも読んでいたのです。その子は火のような手紙を書いて返事をよこしました。手紙はいまだに蔵ってあります。その子はもう一人前の男のつもり....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だ。そこで、彼は見せかけの勇をふるって、どもりながら訊問した。「だれだ、貴様は」返事はなかった。彼は前よりもっとふるえる声でくりかえした。なおも答えはない。もう....