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迥
「迥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迥の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ましむるためだろう、さて十分殺獲術を究めた上ならでは子と離れぬ、若い虎は老虎より
迥《はる》かに物多く殺し一度に三、四牛を殺す事あり、老虎は一度に一つより多く殺す....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
つてわたくしと同じ道を歩いた人である。しかしその健脚はわたくしの比ではなかった。
迥にわたくしに優った済勝の具を有していた。抽斎はわたくしのためには畏敬すべき人で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
聞かず。ただし昔到る処林野多くも深くもあった世には、尋常のヤマカガシなども今より
迥《ずっ》と老大のもありたるべく、それらを恐怖もて誤察し種々誇大のウワバミ譚をも....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
四馬に戦車を牽かせ始めたと。アーズアンいわく、モセスの書に拠ればフリギヤ人等より
迥《はる》か前エジプト人が戦車を用いたが、馬幾疋附けたか知れずと。ピエロッチいわ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
靴屋も功徳に異《かわ》りがないと知って、なるほど穴に居るより、これは一番穴――が
迥《はる》かましとの断定、その頃来英中の現在文部大臣鎌田栄吉君に、何とも俺のよう....
「あそび」より 著者:森鴎外
する。それでも冬になって、煖炉を焚いて、戸を締め切っている時よりは、夏のこの頃が
迥かにましである。 木村は同僚の顔を見て、一寸顔を蹙めたが、すぐにまた晴々とし....
「鶏」より 著者:森鴎外
手へ下らせて、跡で米の量を割ってみた。陸軍で極めている一人一日精米六合というのを
迥に超過している。石田は考えた。自分はどうしても兵卒の食う半分も食わない。お時婆....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
欲し、下山後苦心経営すること一日に非ずといえども、在来の観測所に比すれば、規摸|
迥《はる》かに宏大を要するが故に、その改築費及び将来の維持費の如き、一|私《し》....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
も動物はあんな事を楽むとしても、
大いなる天分を享けた人間だけは将来これまでより
迥に高い出所を有せなくてはならんのです。
(竈に向ふ。)
光っている。御覧な....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
打ったほどにしか見えないかいつむりは、はっきりと何鳥だかの区別さえできかねるほど
迥かなものだった。四人の眼はひとしくその迅い鳥に眼をとめた。 「我らあのような小....