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迷夢
「迷夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
迷夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自分だけの世界」より 著者:辻潤
て「真理」というような手品の種が隠されているかの如く思いこんでいたのだが――その
迷夢が一朝にして覚まされたわけである。 通常スチルネルを攻撃する人は、スチルネ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
自由主義を評して共和主義なり無君主義なり破壊主義なりと言いしがごときのみ、俗人の
迷夢を警醒して正理を唱うものは古今となく東西となくみなかくのごときの困難あり、草....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
かなしい哉、すでに錆びていたという話がある。十年一日の如き、不変の政治思想などは
迷夢に過ぎないという意味だ。日本の明治以来の自由思想も、はじめは幕府に反抗し、そ....
「十五年間」より 著者:太宰治
なくては、半分も理解できない。」(中略) 「十年一日の如き、不変の政治思想などは
迷夢に過ぎない。キリストも、いっさい誓うな、と言っている。明日の事を思うな、とも....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
だ。……これを見た呉青秀は喟然として決するところあり、一番自分の彩筆の力で天子の
迷夢を醒まして、国家を泰山の安きに置いてやろうというので、新婚|匆々の黛夫人に心....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、日本が世界的の交通に出てくるだろう。今日の事態に於けるものは、すべて島国鎖国の
迷夢であり、空の空たるでたらめの妄想《もうそう》にすぎないのだ。 ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ふふんと鼻で嗤《わら》い出して、 「おい、黒馬博士。君は学者のくせに、いつまで、
迷夢《めいむ》から覚めないのか。君は、この暗黒世界のことを、何だと考えているのか....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
土の神の司配を受けることに変りはないが、ただ仏の救いを信じ切って居るものは、その
迷夢の覚めるまで、しばらく仏教の僧侶などに監督を任せることもある。――イヤしかし....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の鍵《キー》にとりとめもなく指を触れながら、音響の和《なご》やかな光明で、生活の
迷夢を包み込むのであった……。 しかしこの善良な可憐な女は、日々の務めの時間を....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
を造りて、これが総代となり、時の政府に国会開設の請願をなし、諸県に先だちて民衆の
迷夢を破らんとはなしぬ。当時母上の戯《たわむ》れに物せし大津絵《おおつえ》ぶしあ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
も取れない。 彼はじっと見つめている。雲は、愕いて姿を消した。 一度|醒めた
迷夢は、忽ち甦る。なんとなれば、雲は間もなく姿を現わし、彼方、水面の波紋が消えて....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
明子《はるこ》氏の説は此処に来て意義あるものとなった。全く鎌子はそうした階級の
迷夢を醒《さ》まさせる犠牲になったのである。そしておなじような位置に置かれてある....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
漸く暴力革命主義を精算して統一戦線を形成したる時、右翼の側に依然として暴力主義の
迷夢が低迷しつつある。 今や国民は国民の総意か一部の暴力かの、二者択一の分岐点....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
るもの日に増し、ただいまにては真に神仏のなすところと妄想し、容易のことにてはその
迷夢を覚破し難し。(中略)ある人の説に、これ電気の作用なりと申せども、これまた了....
「三国志」より 著者:吉川英治
さげ、直ちに馳せおもむいて、※県の嶮に彼らを防ぎ止めますから」 劉璋もいまは、
迷夢からさめたように、 「よいように」 と、それらの人々に防ぎを一任するしかな....