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追って
「追って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追っての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
へ切れて、ものの二町と走るか走らないうちに、たちまち行く手の夜を破って、今自身を
追っている犬の声より、より多くの犬の声が、耳を貫ぬいて起こるのを聞いた。それから....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
いる裾模様が見えました。それから錦襴《きんらん》の帯、はこせこの銀鎖、白襟と順を
追って、鼈甲《べっこう》の櫛笄《くしこうがい》が重そうに光っている高島田が眼には....
「春」より 著者:芥川竜之介
ウイって言って置いたの。……」
それから?――それから先も妹の話は軽快に事件を
追って行った。彼等は一しょに展覧会を見たり、植物園へ写生に行ったり、ある独逸《ド....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
声が一つになって、
「これからすぐに私《わたし》たちは、あの侍たちの後《あと》を
追って、笛をとり返して上げますから、少しも御心配なさいますな。」と云うか云わない....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
訣《わけ》がありません。わたしはやはり地獄《じごく》の底へ、御両親の跡《あと》を
追って参りましょう。どうかお父様やお母様は、ぜすす様やまりや様の御側《おそば》へ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た封書を出した。
「御病人の方は、少しも御心配には及ばないとか申して居りました。
追っていろいろ詳しい事は、その中に書いてありますそうで――」
叔母はその封書を....
「老年」より 著者:芥川竜之介
《じょうざ》は師匠の紫暁《しぎょう》で、次が中洲の大将、それから小川の旦那と順を
追って右が殿方、左が婦人方とわかれている。その右の列の末座にすわっているのがこの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
らか》うように野村を一瞥した。
「まあピエルで満足しとくさ。その代りピエルなら、
追っては目出度くナタシアとも結婚出来ようと云うもんだ。」
野村もこれには狼狽《....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
る必要がない。まして読者はただ、古い新聞の記事を読むように、漫然と行《ぎょう》を
追って、読み下してさえくれれば、よいのである。
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「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。娘は水甕を頭へ載せながら、眼でその挨拶に答えると、仲間の女たちの後《あと》を
追って、やはり釘《くぎ》を撒《ま》くような燕の中を歩き出した。彼は娘と入れ違いに....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
》から帰って来ると、品《ひん》の好《い》い三十四五の女が、しとやかに後《あと》を
追って来ました。庫裡には釜をかけた囲炉裡《いろり》の側に、勇之助が蜜柑《みかん》....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
様の御姿を見ると、必ず頭を下げた事です。殊に一度なぞはある家の前に、鶏《とり》を
追っていた女の児さえ、御時宜《おじぎ》をしたではありませんか? わたしは勿論嬉し....
「百合」より 著者:芥川竜之介
に、二銭銅貨ほどの葉をつけていた。良平もその枝をくぐりくぐり、金三の跡《あと》を
追って行った。彼の直《すぐ》鼻の先には継《つぎ》の当った金三の尻に、ほどけかかっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
供を連れて仙台を切り上げる事になった。
木村はその後すぐ早月|母子《おやこ》を
追って東京に出て来た。そして毎日入りびたるように早月家に出入りして、ことに親佐の....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を
追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を発見したのである。 「オオ、ジッちゃんじ....