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追剥
「追剥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追剥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星女郎」より 著者:泉鏡花
古猿の化けた奴。古この猿ヶ馬場には、渾名を熊坂と言った大猿があって、通行の旅人を
追剥し、石動の里へ出て、刀の鍔で小豆餅を買ったとある、と雪の炉端で話が積る。 ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
た旅人を泊らしては路銀を窃む悪猟師の女房、次には※いびりの猫化郷士の妻、三転して
追剥の女房の女按摩となり、最後に折助の嬶となって亭主と馴れ合いに賊を働く夜鷹とな....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ります。 社会的施設の知識についても、警察制度の発達や、交通機関の発達のため、
追剥ぎ、辻斬り、水盃をして旅立ち等の悲惨事は絶無になりましたが、他方に失業問題や....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
之に路が悪い。雪融けの時などには、夜は迂濶歩けない位であった。しかし今日のように
追剥や出歯亀の噂などは甚だ稀であった。 遊芸の稽古所というものも著るしく減じた....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
二つ三つしているうちに、主人は言いにくそうにこんなことを言い出した。それはお光が
追剥ぎに奪《と》られた二十両の損害の半額を償《つぐな》えというのであった。 災....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るい。雪どけの時などには、夜はうっかり歩けないくらいであった。しかし今日のように
追剥ぎや出歯亀の噂などは甚だ稀であった。 遊芸の稽古所と云うものもいちじるしく....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
った。 「この師走に差迫って、浪人の身で難渋いたす。御合力くだされ。」 一種の
追剥ぎとみて、相手も油断しなかった。彼は何の返事もせずに、だしぬけに自分の穿いて....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
い青い蛇が横たわっているのを見た者がある。秋から冬にかけては狐が啼く。維新前には
追剥ぎにむごたらしく斬り殺された旅人もあった。そんな噂のかずかずに小さい魂をおび....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
かって来た。見ると、渓を隔てた向う岸に人の影がある。もしや瑪哈沁(この地方でいう
追剥ぎである)ではないかと疑って、草むらに身をひそめて窺うと、一人の軍装をした男....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、その村方の者どもを救ってやるためであるということが判った。それほどの人物が
追剥ぎ同様の不埒を働く筈がない。半七は更にほかの方面に手をつけなければならなくな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
嬉しい所じゃありませんでした。 なにしろ場所が場所ですから、日が暮れると縄手に
追剥ぎが出るとか、仕置場の前を通ったら獄門の首が笑ったとか、とかくによくない噂が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
乏しくなる。根が悪い奴ですから、お定まりの浪人ごろつきとなって、強請《ゆすり》や
追剥ぎを商売にするようになりました。 そうしているうちに、国を出てから足かけ五....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らせて半七を睨んだ。「ひとの懐中物をあらためてどうするのだ。おめえは巾着切りか、
追剥ぎか」 「
追剥ぎはそっちかも知れねえ」と、半七は笑った。「まあ、見せろよ」 ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
なかった。今と違って、神田の三崎町は三崎の原という大きい草原で、そこには人殺しや
追剥ぎの出来事がしばしば繰返された。その当時十四、五歳のわたしは、道連れもなしに....
「世相」より 著者:織田作之助
夜配達をしてくれる程親切ではない。してみれば押込強盗かも知れない。この界隈はまだ
追剥や強盗の噂も聴かないが、年の暮と共に到頭やって来たのだろうか。そう思いながら....