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追銭
「追銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
追銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
んだ、という気がしてきました。(彼奴《あいつ》に一円もやった。泥棒《どろぼう》に
追銭とはこのことだ)と思えば口惜《くや》しくてならない。たまりかねて、「ねエ、運....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
がら、言うがままにその金を受け取った。農夫はカランの許《もと》に立ち帰り、盗人に
追銭とはこの事と、頻《しきり》にふさぎ込んでいる。カランは打笑い、「それでは、今....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
程度があるぞ、馬鹿野郎。青砥のせっかくの高潔な志も、お前の無智な小細工で、泥棒に
追銭みたいなばからしい事になってしまった。人をたぶらかすのは、泥棒よりもなお悪い....
「現実の必要」より 著者:宮本百合子
軍需生産者、つまるところは、戦争で儲けつくした者たちに、何故か幣原内閣は、なおも
追銭をやらなければならない義理を感じているのである。戦争中、人民から集めた国防献....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
らないとは言いませんよ。それだからこそ、旦那もこれまで苦しいのを我慢して、泥棒に
追銭みたいなことをして来たんじゃありませんか。しかし、正直のところ、あんたの方で....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
いませ。義理も張りも相手によりまする。蔵元屋に限って御尽しになる義理張りは盗人に
追銭も同様……」 「何と仰せられまする。蔵元屋が盗人とは……」 「さようさよう。....
「日記」より 著者:宮本百合子
ほろり主義の文学上で(生活の中で)人道主義を強調する結果は滑稽になる。どろぼうに
追銭と云う感じを与える。これを自覚したものは、シュール・リアリズムに陥り、日本式....