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退化
「退化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
とすれば、かえってその力に、真実の闇があるのではないだろうか。それはまさに、人間
退化の極みである。あるいは、孤島の中にもあらうし、極地に近い辺土にも――そこに棲....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れ――とかいう、天人衰焉の様を唱うようになれり。かくなりては、一路植物性の存在に
退化するのみにして、治療の途はあれども、余には既に幹枝の必要なきことなれば、余す....
「海底都市」より 著者:海野十三
「いや、そういう君の論は、甚だしく定量性《ていりょうせい》を欠《か》いている。
退化が或る限度に及ぶと、もう器官は全然用をなさないのだ。だからそういう器官が始め....
「超人間X号」より 著者:海野十三
がここから逃げだしたこともごまかせるでしょう。X号は、先生がいつのまにか、サルに
退化《たいか》したと思ってびっくりしますよ。わっはっは」 機械人間はこういって....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
上や空には恐竜などの恐ろしく大きな動物が猛威をふるい、地底深くには大土竜(それが
退化して今日残っているのが例のもぐらもちです)に攻めたてられ、遂に上下谷まって横....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
体中を廻って持っている養分を身体に補給することでしょう。われわれにはもう胃や腸が
退化して無くなってしまったといってもいいのです。われわれはもう充分によく消化され....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
る。人間の道徳意識そのものはマルクスによって泥を塗られただけで少しも高められず、
退化するのみである。『キリスト教の本質』を書いたフォイエルバッハの人間の共同生活....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
つつあると云えよう。古典主義者はこれを指して、近代の批判精神はかくの如くに芸術の
退化を意味すると云うかも知れぬ。 温泉心中もこれぐらい意想外のものになると別格....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
それをなすためには複雑な内容を忌避しなければならず、したがつて我々は意識的に一応
退化しなければならない。一歩でも半歩でも絶えず前へ進むところに芸術にたずさわるも....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
もはや見物するより手がないというようなアキラメと天下泰平さ、と人類のサッソウたる
退化状態がありましたな。 とにかく私にとっては、まの悪い日であった。全島霧につ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
く頭上にそびえ、風と飛沫と囂音で一分の休息もない。そのなかで、私たちはだんだんに
退化して、いまに鳴き亀とおなじようになるだろう。 ところが、きょう夜にかけて大....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
山に隠れ、谷に潜んで何十代を送る間には、野蛮の程度が愈よ加わるのみで、寧ろ漸々に
退化して、人間か獣か区別が付かぬ様になって了ったのだ。昔から山※の一人で、文明の....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
しても疲れを知らない恩愛痴情、恨み、嫉み、というような普通の人情の触手は生れつき
退化し、それによって人と縺れ合うことはとかくに不得手だったらしい。それ故、そうい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
つある。人類の身体はギリシャ、ローマ時代(日本の上古・大和時代)を頂上として漸次
退化しつつありと叫ばれるに至ったのもこの不自然な体の扱い方に依るのだ。誠に上古の....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
りも直さず、料理が進んでいた証拠でありましょう。しかるに、清代になると、だんだん
退化して味が悪くなっている。従って、料理も
退化してしまったのであります。 こう....