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「退去〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退去の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かる雲なし」と詠じた、その時の満足が帰って来たのである。 赤穂《あこう》の城を退去して以来、二年に近い月日を、如何《いか》に彼は焦慮と画策《かくさく》との中《....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
判然したためしはない。 日本人の労働者は単に日本人と生まれたが故に、パナマから退去を命ぜられた。これは正義に反している。亜米利加《アメリカ》は新聞紙の伝える通....
予報省告示」より 著者:海野十三
乃至探検隊らしいということだけであった。九月九日、彼らは忽然として、大西洋海中を退去し、この種の事件は跡を絶った。 世界暦千九百九十九年四月一日 第三世界戦....
乱世」より 著者:菊池寛
で、敵方に錦旗が翻めくと同時に、味方の足が浮いていつとなく総崩れとなり、淀の堤を退去したとき、彼はいつの間にか味方の諸隊と離れていた。離れていたというよりも、意....
単独行」より 著者:加藤文太郎
だが残念にも一月にはあの大雪にあい、立山中腹ブナの小屋においてテントを置いたまま退去の憂目をみた。(山友達とともに春になった四月の三、四の両日に前穂高の北尾根を....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
、幕軍では、自分達の味方だと思っていた所、薩藩は開戦となると、朝命を以て彦根勢を退去せしめ、その後に自軍の大砲を運び上げ、伏見の町を眼下に見おろして、打ちまくっ....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
、その他赤色を用いし甲州以来の真田の赤隊、山の如く敢て退かず。午後二時頃城内より退去令の伝騎来って後退した。幸村自ら殿軍となり名退却をなす。「しづ/\としつはら....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
になって来ました。そこで、ある道士にたのんで、訴状をかいて上帝に捧げました。鬼の退去を出願したのです。 すると、その翌日、鬼は大きい声で呶鳴りました。 「おれ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
と女とが、奥からとび出して来た。それを見ると、目賀野はいった。 「一時この邸から退去せにゃならなくなった。千田はこの臼井を担《かつ》いで霊岸橋《れいがんばし》へ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
は『宇宙の女王』号の事情をうすうすさっしていたので、いまはもうガン人たちが艇から退去しているであろうし、それであれば、無電連絡もかいふくしているのではないかと思....
火星探険」より 著者:海野十三
のですか」 「うん。君たちは、さっき警報ベルの鳴ったのをきかなかったかね。“総員退去せよ”と、ベルがじゃんじゃん鳴ったよ。それをきくと、多くの者は外へとび出し、....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
さあルーズベルト君。ぐずぐずしていると、艦もろとも沈んでしまうよ。いそいで本艦を退去したまえ」 「え、それはたいへん。おい急ぎ引揚げろ。して、金博士、君は」 「....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
。彼はこう言うのであった。 「まあ、こんなわけで、ミミ族は弱点をおさえられ、一応退去しましたが、これでもう、二度と地球へやってこないとはいえませんよ。いやいや、....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
そっと紙で巻き耳の穴に押し込み、正門から素知らぬ顔で堂々とその片眼鏡のにせ貴族は退去したそうだ。そういう時でも、主人はあく迄英国の由緒ある旧家の主人としての体面....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
ことができない。 しかし、最後には到頭もちきれなくなって結局、秋田県警察部から退去命令が出たので阿仁合川を、われわれを一人宛舟にのせて警官が五、六人乗って、急....