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退屈
「退屈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退屈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
したりしたのは恐らくはこの幕合《まくあ》いだったのであろう。
次の幕も僕等には
退屈だった。しかし僕等が席についてまだ五分とたたないうちに外国人が五六人ちょうど....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
「それは兄が夜分にでも届けると申しておりましたから。」
お芳はこう答えながら、
退屈らしい文太郎に懐のキャラメルを出してやったりした。
「じゃお父さんにそう言っ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ぶら》を溶かした、滑らかな湯の面《おもて》が、柘榴口からさす濁った光に反射して、
退屈そうにたぶたぶと動いている。そこへ胸の悪い「銭湯の匂《にお》い」がむんと人の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
と存じまして、今晩はわざわざ推参致したのでございます。いかがでございましょう。御
退屈でも私の身の上話を一通り御聴き取り下さる訳には参りますまいか。」
私は答に....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ょく》の法則はいつのまにか苦痛という意識さえ奪ってしまった。彼は毎日無感激にこの
退屈そのものに似た断崖の下を歩いている。地獄の業苦《ごうく》を受くることは必ずし....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ていた。
「仏陀《ぶっだ》の運命も同様です。が、こんな事を一々御話しするのは、御
退屈を増すだけかも知れません。ただ気をつけて頂きたいのは、本地垂跡《ほんじすいじ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
詩人が髪を長くしていることは我々人間と変わりません。僕は時々トックの家《うち》へ
退屈しのぎに遊びにゆきました。トックはいつも狭い部屋《へや》に高山植物の鉢植《は....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
れでは僕も不本意だから、この際君に一切の事情をすっかり打ち明けてしまおうと思う。
退屈でもどうか一通り、その女の話を聞いてくれ給え。
「僕は君が知っている通り、松....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
千山万岳の煙」とか云う、詩をうたう声が起っていた。お蓮にはその剣舞は勿論、詩吟も
退屈なばかりだった。が、牧野は巻煙草へ火をつけながら、面白そうにそれを眺めていた....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
もこの麻利耶《マリヤ》観音には、気味の悪い因縁《いんねん》があるのだそうです。御
退屈でなければ、御話しますが。――」
この麻利耶観音は、私の手にはいる以前、....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
匪は嫌いではなかった。が、いずれも大差のない武勇談ばかり聞かせられるのには多少の
退屈を感じ出した。
「そこであの女はどうしたんだね?」
譚はやっとにやにやしな....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
今か今かと待っていたのである。役人はまた処刑《しょけい》の手間どるのに、すっかり
退屈し切っていたから、話をする勇気も出なかったのである。
すると突然一同の耳は....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
王石谷はまた茶を啜った後《のち》、考深《かんがえぶか》そうに微笑した。
「ご
退屈でなければ話しましょうか?」
「どうぞ」
※南田は銅檠《どうけい》の火を掻....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に
退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなか....
「初雪」より 著者:秋田滋
って、仕様がなくなっちまうから――。だって、この僕が永年ここで暮していて、ついぞ
退屈したなんてことが無いんだからね」 その日は暇さえあると二人は接吻ばかりして....