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「退座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退座の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か此の頃は師匠の機嫌を悪くして、このあいだも楽屋でひどく叱られた。小三津は泣いて退座すると云い出したが、花形役者に退かれては興行にさわるので、ほかの人々が仲裁し....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
たち名告らずば、やがて、選ろう、選取りに私が選って奪ろう!) (勝手にして、早く退座をなさい、余りといえば怪しからん。無礼だ、引取れ。) と子爵が喝した、叱っ....
天守物語」より 著者:泉鏡花
れば、いつでも居るから。 図書 武士の面目に存じます――御免。 雪洞を取って静に退座す。夫人|長煙管を取って、払く音に、図書板敷にて一度|留まり、直ちに階子の口....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
新助は沢田正次郎《さわだしょうじろう》が演じて不評で、その後|直《じき》に沢田が退座してしまったのを出させ、その代りに中幕《なかまく》へ「祟《たた》られるね」と....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
ございます」五右衛門は少しも臆せなかった。 「で、どんな時、隙があった?」 「ご退座という其の瞬間、お体が斜になられました時」 「うむ、その時隙が見えたか?」 ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
長くこの一座にとどまらなかった。師匠の九女八がまず去り、彼女もこの興行を名残りに退座した。眼さきの早い川上は、男女合併興行を標榜して立とうと思い付いたらしいので....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
んそうですから」 と、一同がいった。 やがて、自鳴鐘が鳴ると、若侍たちは皆、退座した。忠利は、眠ってからも、考えていた。 けれども彼の考えは、あながち衆と....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
つのまにやら一点の燈灯もなく、阿波守を初め三卿の人々は、物音と同時にすばやく奥へ退座してしまったらしい。 倒れた襖を踏みつけたので、弦之丞は菊の間の闇へよろけ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
お支度部屋へ退がって、暫時、御休息をとられたがよろしからむ」 と、人々に一応の退座をうながしてから、内管領ノ長崎高資と赤橋守時のふたりだけが、そこから執権御座....
私本太平記」より 著者:吉川英治
……絃はやみ、覚一は、撥を絃にはさんで、終りの礼を低くすました。そして、しずかに退座しかけると、母の草心尼が、 「覚一、こちらへおじゃ。……世良田の小太郎義貞さ....