退廃[語句情報] »
退廃
「退廃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
退廃の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
ない。実際、右衛門にはなんの罪もないのだが、右衛門の寵幸《ちょうこう》と今川家の
退廃とが同時に起ったので、単純な世人はその前に因果関係があると思ったのである。実....
「さようなら」より 著者:田中英光
ようなら」が厭で、どこ迄も、「さようなら」をいわずリエと別れなかった。よそ眼には
退廃不潔にみえようとも、ぼくにはそんなリエとの別離の予感に、生命を燃焼させるほど....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
門学者から区別するのでもある。だがこういうアカデミックな教養は、アカデミー自身の
退廃鈍化を覆すだけの力は少しも持たない。却って
退廃鈍化を進行させるものこそその際....
「小さき家の生活」より 著者:宮本百合子
の下位の社会的地位の者の家庭に滲み込んで居る、子供としての独立力の欠乏、剛健さの
退廃と云うものは、確に自分に頭と一致しない矛盾を与えて居たと思う。 幸、性格的....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
指しながら、『正真正銘のローマ鼻だ』と言った、『こいつが肉袋といっしょになって、
退廃期の古代ローマ貴族そのままの顔ができあがっているんだ』それが彼の自慢なところ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
衆の活動力には悪い結果を及ぼすものである。なおまた、その制度が弛緩《しかん》して
退廃期に入る時には、それでもやはり範例となるがゆえに、その純潔なる時代において有....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い前から彼らは収容せられ救われていたかも知れない。もとより彼らの様子は、きわめて
退廃し、腐敗し、汚れ、嫌悪《けんお》すべきものとはなっていたけれど、しかし零落し....
「江戸川乱歩」より 著者:平林初之輔
れも、大衆文学の要請が彼をそうさせたにもよるだろう。 彼のインタレストは常に、
退廃的なもの、病的なもの、グロテスクなものに向かっている。健康なもの、進歩的なも....
「二つの文学論」より 著者:平林初之輔
とって、自然以上の美を、魅力をもちはじめつつある。大都会においてブルジョア文明の
退廃のみを見ることを強要する人たちはあやまっている。そこには次の文明の骨組みが見....
「探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
りに、人工的な、怪奇な、不自然な世界を追いすぎているように思う。かような傾向は、
退廃期の特徴である。そしていかなる芸術からも避くべきである。 蒸せかえるような....