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「退院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

退院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
御病気のように聞きましたが、……」 「難有《ありがと》う。やっと昨日《きのう》退院しました。」 粟野さんの前に出た保吉は別人のように慇懃《いんぎん》である。....
或る女」より 著者:有島武郎
た。 高熱のために貞世の意識はだんだん不明瞭《ふめいりょう》になって来ていた。退院して家に帰りたいとせがんでしようのない時は、そっと向きをかえて臥《ね》かして....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
お前たちの母上は寝台の上に起きかえって窓の外を眺めていたが、私の顔を見ると、早く退院がしたいといい出した。窓の外の楓《かえで》があんなになったのを見ると心細いと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
直して、看護婦を呼んで、 「お世話になりました。お庇様でどうやら助りました。もう退院をしまして宜しいそうで、後の保養は、河野さんの皆さんがいらっしゃる、清水港の....
振動魔」より 著者:海野十三
く博士の手によって同時に救われたことになるのだった。博士のサナトリューム療院から退院するという日、柿丘は博士の足許にひれふして、潸然たる泪のうちに、しばらくは面....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
そいつは何処に隠してあるんだか話してくれんか。教えてくれりゃ、なんとか早く癒って退院できるように骨を折ってみるが……」 といった。この唐突の話には面喰ってしま....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
が僕の名で本屋から借金して来て、みんな一緒になってよく働いた。そして新聞は、僕が退院後の静養をしてほとんどその仕事に与かっていなかった、六月まで続いた。 たぶ....
海底都市」より 著者:海野十三
翌日になると、カビ博士は又僕の病室を訪れて、枕頭《ちんとう》に立った。 「さあ、退院だ。わしと一緒に出よう」 「えっ、もう退院ですか。しかし僕は起上ろうとしても....
金属人間」より 著者:海野十三
。 雨谷君も、まず正気《しょうき》にかえって、いまではふつうの人のようになり、退院も間ぢかという話であった。この雨谷君に茶釜の破片を持っているなら、参考のため....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
奇異の患者 「ねえ、博士。宮川さんは、いよいよ明日、退院させるのでございますか」 「そうだ、明日退院だ。それがどうかしたというのかね....
火星兵団」より 著者:海野十三
うに命令をした。そうして新田先生に、一人の警官をつけて、案内させた。 とつぜん退院のゆるしが下って、蟻田博士は、喜ぶやら怒り出すやら。 「けしからん奴どもじゃ....
東京要塞」より 著者:海野十三
けて、怪我人原口吉治の様子をたずねると、看護婦が電話口に現れて、あの方なら昨夜御退院になりましたという。愕いて聞きかえしたが、全くそのとおりだった。引取人はと聞....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のことを厳格に注意された上で、ヘザーレッグは私を引き取った時のように、むぞうさに退院させてくれた。別れに臨んで、彼はこう祝福してくれた。 「ねえ、私はあなたの神....
式部小路」より 著者:泉鏡花
「先生、貴下はまた、神経痛ごときに、そう弱っては困りますな。」 「何、私はもう退院をするんだから構わんが。」 とて愁うる色あり。 丹平は打頷き。 「しかし....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
は何より先に目に入る。 一時重体を伝えられた杉山書記官は幸にも経過良好で数日中に退院するという。氏は再度の危険を怖れて立松捜査課長等の反対にもかかわらず、退院と....