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「逃がす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃がすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青年と死」より 著者:芥川竜之介
ここに足あとがあるぞ。 ――ここにもある。 ――そら、そこへ逃げた。 ――逃がすな。逃がすな。 騒擾。女はみな悲鳴をあげてにげる。兵卒は足跡をたずねて、....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
終った。 「さあ、お待ち遠さまでした」と秀蓮尼は座を立って「では、いよいよ貴方を逃がす工夫に取り懸りましょう。だがくれぐれも申して置きますが、これからあたしがど....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
していたが軈てブルブルと身震いをすると、パッと身を飜して駈け出した。 「それッ、逃がすな!」 と叫んだ帆村の声は、いつの間にか普段の、あの胸のすくような名調子....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
と、 「やッ」 と身を翻してそこに開いていた窓を破って屋上へ逃げた。 「それ、逃がすなッ」 一同はつづいて、屋上に飛び出した。痣蟹は巨大な体躯に似合わず身軽....
蠅男」より 著者:海野十三
といって承知しなかった。そのうちにも時刻はドンドン経っていく。千載の一遇をここで逃がすことは、とても帆村の耐えられるところでなかった。 (問答は無益だ!) 帆....
地球盗難」より 著者:海野十三
顔を出すのと一緒に、暗闇の中に紛れこんで、スーッと姿を隠してしまった。 「うぬ、逃がすものか……」 何が何やら分らないながら、彼は追駈けてゆく決心を定めた。そ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
とをいった。 「そうかもしれない。いや、それに違いない。あれが烏啼なら、あのとき逃がすんじゃなかった。で、女は何者か」 「それが分らないのです。しかしですよ、こ....
金属人間」より 著者:海野十三
屋の中へすがたを消した。検事は全身がかっとあつくなるのをおぼえた。取りおさえるか逃がすか、それはこれからの室内捜査のけっかできまる。 「なぜ、すぐはいらんのだ。....
見えざる敵」より 著者:海野十三
えなおしたがいい」 「なにを臆病なことをいいだすんだ。こんな素晴らしいチャンスを逃がすなんてえことが出来ると思うかい。引込んでいろ」 「だって首領。あの楊博士と....
四次元漂流」より 著者:海野十三
会を待っていた。と、庭の方から叫び声が聞えた。 「いたぞ」 「こら、待てッ」 「逃がすな。皆、こい」 この声に、研究室にいた一組も、窓を開いて、薄暗い庭へ飛び....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
かり手を焼いたらしいね」 「しかし、折角こっちがつかまえておいたものを、むざむざ逃がすとは、なっていない」 「それよりも、僕はあの怪物がきっとこれから禍をなすと....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
一隻の巨船が音もなく滑ってゆく。二三百メートルの近くであった。まさしく幽霊船だ!逃がすな幽霊船 幽霊船にゆきあうのは、これで幾度目であろうか。たしか和島丸が撃....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
声に、警備隊員たちは、やっとわれにかえった。 「あっ、向こうへ飛びおりたぞ」 「逃がすな」 すぐさま二手にわかれて川上機関大尉のあとを追いかけた。が、機関大尉....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、どうかこうか抄い上げました。其時私は、思はず鱸の上に四ん這いになって、「今度は逃がすものか、跳ねるなら跳ねて見ろ」って、威張りましたよ。旦那が、後で、「お前が....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ろうか、と誰かささやくような気がしたのです。四辺を見たが誰もいません。チャンスを逃がすな、と、また――。私は自分の耳を両手で覆いました。 公高は屋上で文鳥を放....