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「逃げ道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逃げ道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
尼提」より 著者:芥川竜之介
》たび曲り、七たびとも如来の歩いて来るのに出会った。殊に七たび目に曲ったのはもう逃げ道のない袋路《ふくろみち》である。如来は彼の狼狽《ろうばい》するのを見ると、....
或る女」より 著者:有島武郎
ていちだんの憎しみを感ぜずにはいられなかった。 「倉地さんは……」 岡は一路の逃げ道をようやく求め出したように葉子に目を転じた。 「倉地さん? たった今お帰り....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ら差支えはないというのである。後にこのビュッフォンの仮説を批判したラプラスはこの逃げ道を肯定している。ビュッフォンの考えは全く巧妙である。仮に一つの円い木板があ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
かりで、ここまで来ても、更に敵影を認めず、ですな」 「ちと、おかしいね。どこか、逃げ道が、慥えてあるのだろうか」 「いままでのところには、探さない別坑は、一つも....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ても捕えられる! 僕はハアハアとあえぎながら、それでも走った。 「おい、こっちに逃げ道があるよオ。――」 唐突に、その家並の軒端と覚しきところから圧しつけるよ....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
番難関だと思っていた。そしてたぶんここで捕まるものとまず覚悟して、捕まった上での逃げ道までもそっと考えていたのであった。それが、こうして何のこともなくコトコト馬....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れるので、半兵衛があわてて追っかけました。 一方は海、一方は川ですから、ほかに逃げ道もないと多寡をくくって、伊助はあとからぶらぶら行きますと、真っ先に駈けて行....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て、安息日。わたしの気遣っていたことが、いよいよ実際となって現われた。 唯一の逃げ道であるべき碧い細長い海水の通路が、南の方から消えてきた。怪しげな氷丘と、奇....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
を口真似したに違いない。それでは水牛小屋の地下道というのこそ、唯一のまぎれのない逃げ道だ。 こうして、マヌエラをめぐるあらゆる疑惑が解けた。まるでハイド氏のよ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
なども僭越ながら其発頭人の一人である。作物の上に長く煩いした学問の囚れから、やや逃げ道を見出したと思って、私のほっと息つく時に、若い人々の此態度を見るのである。....
」より 著者:カフカフランツ
自分の身体をいたわらなければならないし、また私としても、私たちの苦しい境遇からの逃げ道を見出そうとして一生懸命にならなければならないのだから、やつらはどうしても....
審判」より 著者:カフカフランツ
あまり長すぎてもいけない。それゆえ、次々に続くが、それぞれは短い審理をやるという逃げ道を選んだ。審理日を日曜日にきめたのは、Kの職業上の仕事の邪魔をしないためで....
奇巌城」より 著者:菊池寛
トール、また起き上ったよ。……お前はすぐ壁の小門へ駆けておいで、あの小門より他に逃げ道はないんだから。」 ビクトールは急いで駆けていったが、彼がまだ庭へ出ない....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
えられて是非もなく、できるだけその権力者の歓心を得ようという、切羽詰まった最後の逃げ道に過ぎないのだ。 が、この女が自分を愛していないばかりでなく、今まで自分....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
、なぐさめられもしないのです。パトラッシュはただ石のように扉のそばにすわりこんで逃げ道はないかと、そればかりねらっているのでした。これを見たコゼツは言いました。....