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「逆さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逆さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
中ではストーブの向かい座にあぐらをかいて、癖のように時おり五分刈りの濃い頭の毛を逆さになで上げる男ぼれのする君の顔が部屋を明るくしていた。君はがんじょうな文鎮に....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
バムも、本も、辞典も入れた。ミシンを出したが、重くて自由にならず、庭に放り出して逆さにした。足の方が上だ。これは金属製だから、すぐには焼けまいと思う。 壕はま....
火星兵団」より 著者:海野十三
た。ついにその自動車は、麻布の崖の上から下に落ちてしまったことや、運転手が、まっ逆さまに落ちる自動車の中から、半身を出して、こっちをにらんだことなどを……。 ....
怪塔王」より 著者:海野十三
くろの底をゆわえてあった紐を口でくわえ、首をまげてぐっとひっぱりました。ふくろは逆さになり、破れ目から水が滝のようにふきだしました。 2 なんという....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
引張りつけたので、相手はゴンドラの角で、いやというほど尻の骨をうったまま、身体を逆さにしてずるずると籠の中にくずれ落ち、そのまま動かなくなった。なにゆえに敵を助....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
が居ました。しかし何という不思議なことでしょう。兄は天井に足をついて蝙蝠のように逆さまにぶら下っているのです。頭は一番下に垂れ下っていますが、私の背よりもずっと....
火葬国風景」より 著者:海野十三
であるが、彼の貧弱な頭脳の中には、当時タネらしいものが一つも在庫していなかった。逆さに振ってものみ一匹出てこないという有様だった。苦しまぎれに、彼はいつもの手で....
軍用鼠」より 著者:海野十三
箋に8ルーブリと書きつけた。心憶えのために。 それが済むと、空の籠を卓子の上に逆さにして置いた。彼の手には一|挺の大きな鉞が握られた。彼はその鉞をふり上げると....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
時が静かにとどまって、すべてのものが恐ろしくも終りに近づいて来た。皇帝の座は真っ逆さまになったと思う間もなく崩れ落ちて、アウガスタスの姿は玉座と共に消え失せた。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ぼろぼろと欠けて、喰い入り喰い入り、見る内に危く一重の皮を残して、まさに断切れて逆さまに飛ばんとする。 あれあれ、とばかりに学士は目も眩れ、心も消え、体に悪熱....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
真のポジが何コマか入れてあつた。その当時のポジはみな染色されてあつたので、封筒を逆さまにすると色とりどりのポジがヒラヒラと寝台の毛布の上に舞い落ちるのは私の殺風....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
けようとした。しかし、遅かった。弾丸は彼の頭にものすごい勢いでぶつかった。彼は真逆さまに地面にころがりおち、ガンパウダーと、黒馬と、幽霊騎士とは旋風のように通り....
」より 著者:犬田卯
る、いや、信用させて見せる。」 言ったかと思うとやにわに自分の座っていた椅子を逆さまに引っつかみ、大上段に振りかぶり、きっと二人を睨み据えた。二人の役人は検印....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
沼南に相談すると、君の事情には同情するが金があればいいがネ、と袂から蟇口を出して逆さに振って見せて、「ない、同情するには同情するが生憎僕にも金がない」という、こ....
活人形」より 著者:泉鏡花
の周囲を、飛び廻り、飛び狂い、火にあくがれていたりしが、ぱっと羽たたき火屋の中へ逆さまに飛び入りつ、煽動に消える火とともに身を焦してぞ失せにけり。 颯と照射入....