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逆に
「逆に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逆にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ほとんど同時にした。そればかりではない。どうかするとその拍子に切り返した太刀を、
逆にまわして、後ろから来る犬の牙《きば》を、防がなければならない事さえある。それ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
興奮しはじめ、とうとう海へ身を投げてしまった。日本へ近づけば近づくほど、懐郷病も
逆に昂《たか》ぶって来る、――甲野は静かに油っ手を拭《ふ》き、腰ぬけのお鳥の嫉妬....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
明《そうめい》な彼にとって、当然すぎるほど当然なことである、が、不思議なことには
逆にその評価が彼の好意に影響するということもまたほとんどない。だから彼は場合によ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を見るなりにやにや笑い出して、
「どうした。この間の晩の美人たちは健在か。」と、
逆に冷評を浴びせかけた。
二人のまわりには大勢の学生たちが、狭い入口から両側の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に、悲惨、不快、憂欝《ゆううつ》等の非難を加える事と思えばよろしい。又この非難を
逆に用い、幸福、愉快、軽妙等を欠いていると罵《ののし》ってもかまいません。一名『....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
あらゆる制度および機関(ことに政治機関)をプロレタリアの手中に収め、矛《ほこ》を
逆にしてブルジョアジーを亡滅に導かねばならぬ。ブルジョアジーが亡滅すれば、その所....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と主張した理由が明かになると思う。 然らば社会生活は私がいった個人の生活過程を
逆にでも行かねばならぬというのか。社会生活にあっては、智的生活をもって本能的生活....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なければならず、従ってすべての(カント時代に知られていた)遊星に特有な回転方向は
逆にならなければならない、ということである。 第二十三図がこのような輪を表わす....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ばれ、大の御ひいき者でした。それは背中をぐいと高くしたり、喉をごろごろ鳴らしたり
逆に撫でられると毛から火の子を出す事まで出来ました。牝鶏はというと、足がばかに短....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
新婦新郎、涜職事件、死亡広告――私は隧道へはいった一瞬間、汽車の走っている方向が
逆になったような錯覚を感じながら、それらの索漠とした記事から記事へ殆機械的に眼を....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
き声を放った。 私はそこで河をひとが溯るように、自分の歩んで来た一生をこうして
逆に辿って行った。私は自分がその名さえ覚えていなかったほど久しい前から忘れてしま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
帯ぶるというのである。 かく、電流を用いて磁気を発生することが出来るからには、
逆に磁気を用いて電流を起すことも出来そうなもの。その後も、あれやこれやとやっては....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、
逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を発見したのである。 「オオ、ジ....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
枳殻の実ほどはある。それに、躯に比較しては長過ぎる二三寸の尾を動かしながら頻りに
逆に松の枝へ吊さっては餌をむさぼる。尾に触れ嘴に打たれて、小さな松の皮、古松葉な....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
ら容易に読むことができます。 これと同じようにして赤緑の色と青黄の色との関係が
逆になりますと、反対に色神異常者には容易に読めるが、健康者にはあまり気づかない。....