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「逆境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逆境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
。葉子は岡の声を聞くと、急に今まで自分から逃げていた力が回復して来たのを感じた。逆境にいる女に対して、どんな男であれ、男の力がどれほど強いものであるかを思い知っ....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
つ》あり、慾《よく》あれども銭なく、望みあれども縁《えん》遠し、よし突貫してこの逆境を出《い》でむと決したり。五六枚の衣を売り、一|行李《こうり》の書を典し、我....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
った。 北種は元来、住みよい熱帯や亜熱帯から追い出された劣等種であったろうが、逆境と寒冷な風土に鍛錬されて、自然に科学的方面の発達を来たした。また農業に発した....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
の理想は、実現されたのである。だがそれと同時に、早くも此の新政府の要人連の間に、逆境時代には見られなかった内部的対立が兆していた。つまり武家と公卿が各々、自分こ....
光の中に」より 著者:金史良
女の方では又もしかすれば自分が内地人と結婚していることを一種の誇りと思って、この逆境に生きてゆくせめてもの慰めとしているのかも知れない。私は寧ろあの半兵衛に向っ....
骨董」より 著者:幸田露伴
食わせた。正賓は肋を傷けられて卒倒し、一場は無茶苦茶になった。 元来正賓は近年逆境におり、かつまた不如意で、惜しい雲林さえ放そうとしていた位のところへ、廷珸の....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
ころで私自身は、他人から見たら蕭条たる落魄の一老爺、気の毒にも憐むべき失意不遇の逆境人と映じているだろうが、自分では必ずしもそう観念しては居ない。どんな金持でも....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
夫人はひとりで坐りながら、自分の不運な生涯を考えていた。そうして、自分のこうした逆境もみな持って生まれた運命であると諦めなければならないと、自分で自分に言い聞か....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
木を怒鳴りつけているのは、彼女のワガママである。 順境にあれば礼節をわきまえ、逆境ゆえにむしろワガママになりがちなものではあるが、おのずから限度がなければなら....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
れはどんな物質的欠乏よりも惨めだ。心の余裕は物質の窮迫を克服する力を持つている。逆境のどん底に楽天地を発見する力を持つている。砲弾の炸裂する中で空の美しさにうつ....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
だか知らないがお前が悪い!」 「いいえさ、お前だ!」 「何のお前だ!」 人間が逆境に落ち込むと、仲好し迄が喧嘩をする。例えに洩れずというのでもあろう、玄女と猪....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
り難い秀才と思った。その後だ、この友からの手紙に、 「君は順境の幸運児なり。僕は逆境の薄倖児なり」 とあったのは。私はそれを読んで、胸を打たれた。当座はこの友....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
し、キャロリーヌ・ボーフォールは、そのへんには見られぬ心の持ちぬしで、けなげにも逆境を支えて立ちあがった。こうして、たやすい仕事をひきうけることにし、麦わらを編....
机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
憧がれ心地に途をさ迷った、二十時代を送ることは、たとえ、当時は、私の、一番生活の逆境時代にあったにかゝわらず、尚この悲しみとやるせなさのために、深く悲しんだもの....
貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
家に対して、彼等の立場から、冷遇しなかったと何んで言えよう。況んや、私のように、逆境に立ち、尚お且つ反抗の態度に出て来た者を同情するより憎むのが寧ろ当然だったか....