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逆流
「逆流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逆流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
時は、人がよく実際の河流で観察し得るように、中流に近い水の速力の為めに蹴押されて
逆流することさえある。かかる時に私は不幸だ。私は新たなる展望から展望へと進み行く....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
術であった。エジプトの学者たちは、ある一定の方式の呪文を唱えると河の水をその源へ
逆流させ、太陽の運行を止めたりまた早めたり、またまじないを施した蝋製の人間や動物....
「蠅男」より 著者:海野十三
村は肩に貫通銃創をうけたではないか。だから機関銃と聞けば、ために全身の血が俄かに
逆流するのもことわりだった。 あの機関銃は、一体どっちが撃ったのであろうか。 ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
わりだけ照らしていた。そのときかれはふしぎなものを見た。 白くあわだった波が、
逆流してくるのであった。そして水面はきゅうにグングンと上がってくるのであった。そ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
号は、一旦沖へ走り出しますが、御承知の通り昨晩は凪でしたので、犬崎から折れ曲って
逆流している黒潮海流の支流に押されて、この岬の附近まで漂って来ます――」 ここ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
山すみれが、博士の首に綱をかけてくびり殺すところをまざまざと見せられ、全身の血は
逆流した。現行犯にしても、これほど鮮かに恐ろしい現行犯を見たことは、今までにない....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
の烏啼天駆めの仕業に違いないと悟ったからである。烏啼天駆めこそ、袋探偵の常に血を
逆流させるはげしき相手だったから。 図星の大犯人 「ほら、この通り。この青....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
弾の箱は、機上に大事に保管されていた。 大陸を出発。成層圏まで一気に上昇して、
逆流をついて東へ飛行をつづけ、予定のとおりワシントンへ凱旋したのであった。 そ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、アンの亭主ではないか。アンを自分の妻君だと信じていた仏天青は、全身、血が一時に
逆流を始めたような気がした。 (このまま、列車から飛び下りてしまおうか?) と....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ろうか。 「うん、こいつは失敗った!」 「火の玉」少尉の全身を、熱湯のような血が
逆流した。 「失敗った、失敗った、失敗った!」 彼はゴンドラの縁をつかんで、動....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
男の方が、僅かに逡巡の色を見せるという風だった。乃公の血は、足の方から頭へ向けて
逆流した。 鏡を見ると、自分の顔は物凄いまでに表情がかわっていた。肩のあたりが....
「空襲警報」より 著者:海野十三
よかった」 警官は大きな溜息をついた。これを横から聞いていた人々も、全身の血が
逆流するように感じた。なにも知らない町の人々は、今も盛んにコレラ菌を飲んでいるの....
「転機」より 著者:伊藤野枝
は、利根の河水の停滞ということにもあった。本流の河水の停滞は支流の渡良瀬、思等の
逆流となって、その辺の低地一帯の氾濫となるのであった。そこでその河水の停滞をのぞ....
「香水紳士」より 著者:大阪圭吉
かってしまった。 なんという恐しいことだろう! からだ中の血潮が、ドキドキと
逆流するようだ。とてもジッとしていられない。が、さりとて、妙に体が硬張って、声を....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
しみのどん底に呻吟きながら、部屋の中をのたうち廻りました。私の血はどんどんと頭へ
逆流して物の判断もつかないようになりました。もしそこに公高がいたなら私は彼に飛び....