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「逆茂木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逆茂木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
い。だから主人の家に、あらゆる塀《へい》、垣、乃至《ないし》は乱杭《らんぐい》、逆茂木《さかもぎ》の類は全く不要である。しかしながらこれは空地の向うに住居《すま....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
にパッと明るくなっている、野飼いの牛が、一本路をすたすた登って来たが、そこには、逆茂木がしつらえてあるので、頭を低れて、入ろうとしたが、入れそうもないので、恨め....
古狢」より 著者:泉鏡花
は本懐とも言えるであろう。根を掘上げたばかりと思う、見事な蓮根が柵の内外、浄土の逆茂木。勿体ないが、五百羅漢の御腕を、組違えて揃う中に、大笊に慈姑が二杯。泥のま....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
んだ茶と一緒に、したたか感心して、 「これぞ、自然なる要害、樹の根の乱杭、枝葉の逆茂木とある……広大な空地じゃな。」 「隠居さん、一つお買いなすっちゃどうです。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
リと、自分のこしらえた生田《いくた》の森の塀《へい》と、それから築《つ》き出した逆茂木《さかもぎ》へと続いて行きました。 今までこみ上げて来た感情のために、そ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
きりと鮮明になるのも心細い――山路に人の小ささよ。 蜻蛉でも来て留まれば、城の逆茂木の威厳を殺いで、抜いて取っても棄つべきが、寂寞として、三本竹、風も無ければ....
魔像」より 著者:林不忘
こを! 腰をおとしざま、逃げるように退った喬之助、低めた剣を立て直して、つるぎの逆茂木《さかもぎ》、下正眼につけたうえ、はずみというものは恐ろしいもので、見事、....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
われは何と答えんかと予審廷へ出る心構えわざと燭台を遠退けて顔を見られぬが一の手と逆茂木製造のほどもなくさらさらと衣の音、それ来たと俊雄はまた顫えて天にも地にも頼....
三枚続」より 著者:泉鏡花
へ伐出す杉|檜松|柏を八方より積込ませ、漕入れさせ、納屋にも池にも貯うること乱杭逆茂木を打ったるごとく、要害堅固に礎を立てた一城の主人といっても可い、深川木場の....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
。赭色の岩壁が段をなして連っている。拗けくねった木がその間に根を張り枝を拡げて、逆茂木にも似ているが、それがなければ到底も登れぬ場所がある。岩壁や木の根には諸所....
三国志」より 著者:吉川英治
もっとも注意したらしい所は、東南の巽の門です。――なぜ注意したといえば、あそこは逆茂木の柵も古く、城壁も修理したばかりで、磚は古いのと新しいのと不揃いに積み畳ま....
三国志」より 著者:吉川英治
麓をめぐる三十余里の官渡の流れは、自然の濠をなしている。曹操は、その水流一帯に、逆茂木を張りめぐらし、大山の嶮に拠って固く守りを改めていた。 両軍はこの流れを....
三国志」より 著者:吉川英治
らも軽んじてはならぬ」と戒めた。 敗軍をひきまとめた曹操は、河を隔てて岸一帯に逆茂木を結いまわし、高札を立てて、 「みだりに行動する者は斬る」と、軍令した。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
ほど、魏の軍馬はいちどに浅瀬へ馳け入った。一ヵ所や二ヵ所ではない。蜀軍はもちろん逆茂木を引き、要所要所は防寨で固めている。しかし、敵の上陸はそれを避けて行われる....
私本太平記」より 著者:吉川英治
るようなのだ。 とくに彼がおそれていたのは、鎌倉の再援軍でもなく、六波羅固めの逆茂木でもなかった。――千早をかこんでいる関東の二万余騎が、千早をすてて、河内野....