逆風[語句情報] »
逆風
「逆風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逆風の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
の日、我が稲門健児《とうもんけんじ》は不幸にも、北側の第一レインを割り当てられ、
逆風と逆浪《げきろう》の最も激《はげ》しい難路を辿《たど》らねばならず、且《か》....
「幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
手に手にピストルだの、スパナだの、ロープの切端だのを持っていた。その十四五人が、
逆風と潮飛沫の中をよろめきながら船首まで行ったのは、私が扉に鍵をかけてから三十秒....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
がう。そいつは耳で聞きわけるのだ。それから、またエンジンの音がかすかに聞えるし、
逆風のときは、むっとした熱気さえ感じるのだ。 水兵ジャックは、今たしかにこれを....
「古木」より 著者:豊島与志雄
い火先は、逆に後ろへ巻き返しました。恰もこの崖のところへ、下からと上からと二つの
逆風が合流してるような工合でした。或る寮になってる大きな建物から、最も大きな火焔....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
手に入れられる馬がなかったので、湖水を渡って帰らなければならなかったが、風が
逆風で、雨は滝となって降った。とはいえ、夜も明けきっていなかったので、夜までには....
「藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
そのままこちらへ流されたものであった。 島のかたちは、元日の朝から見ていたが、
逆風におしまくられて近寄ることができない。それで艀で漕ぎつける決心をしたが、岩山....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
と目することから、何事を期待すべきであろうか。理性の教えるところは、ただ、永久の
逆風と不断の無駄な労苦と再三の難破と確実な窮乏のみである。吾々は啻にかかる完全な....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
年を同じゅうして語るべからざるなり。 異説争論の際に事物の真理を求むるは、なお
逆風に向かいて舟を行《や》るがごとし。その舟路を右にし、またこれを左にし、浪に激....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
げにばかりひそみしが、今日は日向も涼しかりけり 四月三十日(日曜)、晴れ。夜来
逆風加わり、波高く船躍る。早朝より他船と並行して南走す。午時なお秋涼を感ず。午後....
「上海」より 著者:横光利一
頂点で、独楽のように廻っている秋蘭を見ていると、参木は自分の面上を撫で上げられる
逆風を感じて横を見た。しかし、今は、彼は彼女を落ちつかすためにも、何事かを饒舌ら....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
がボヤッと隠れた――四、五人|斃れた血煙の霧だろう――と見れば刹那に弦之丞の姿、
逆風剣の切ッ尖を、上手の者の足もとに薙ぎつけて、まっしぐらに坂の上手へ踊り進んで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
戦であったらしい。 ところが、そこへ迫るやいな、まず乱箭の雨に見舞われた。――
逆風なので矢向きは不利と初めから菊池方では接戦を主眼としている。ほとんど、こっち....