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透かし見る
「透かし見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
透かし見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
にも、異様な冷たさや落ち着きがあって、やがて舐め飽《あ》きると、今度は試験管でも
透かし見るように、稚市の身体を、これよとばかりに高く吊し上げた。 「このとおりで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。そして、上段の左右に二つ並んでいる、紋章の一つを、創紋の写真に合わせて電燈で
透かし見ると、そのとたんに、思わず二人の口から呻きの声が洩れた。実に、その二つが....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
が、かえって、もとの面体に戻りました。……姫君も御覧ぜい。 亀姫 (扇子を顔に、
透かし見る)ああ、ほんになあ。 侍女等一同、瞬きもせず熟と視る。誰も一口食べたそ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くぎっていた。ジャン・ヴァルジャンは人家や壁に沿って影のうちに身を潜め、光の方を
透かし見ることができた。影の方を見ることができなかったことを、彼はあまり念頭に置....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
現われた。それらの車の上には人の形が動いていた。黎明《れいめい》の明るみのうちに
透かし見ると、抜き身のサーベルらしいひらめきも見え、鉄の鎖を動かしてるような響き....