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「透過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

透過の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放送された遺言」より 著者:海野十三
局彼は「十六メートルの超短波電波は地球の外を包むヘビサイド氏電導層をもっともよく透過《ぺネトレイト》する」ということと、「振動波の波形は生物の感情を表わす」とい....
遊星植民説」より 著者:海野十三
いない証明になる。然るに、わが地球からは、今日既にヘビサイド・ケネリーの電離層を透過して、宇宙の奥深く撒きちらしている符号は日々非常に多い、短波の或るもの、それ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
被害者は少なくなかった。熱線は、身体の露出部に糜爛を生じ、また薄いシャツや硝子は透過して、熱作用を及ぼすのである。 広島の死傷者は十二万人という。これは逓信省....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ェズにあの室を指定して、自分はアレキサンドライトを髪飾りにつけ、それに電燈の光を透過させて、レヴェズを失意せしめた――と解釈するに至った。ねえ支倉君、この警句は....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
合もコクトーの場合と同じである。 しかし文芸時評の眼が、もっと深いところへまで透過しなければならないのはいうまでもない。社会的時事的なテーマを持った作品ばかり....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
と通り過ぎたと思うと、忽ち元始の太陽が烈火の如く追い迫り、蒼白い月の光が氷の如く透過する。或は風のために無辺際の虚空に吹き散らされ、又は雨のために無間の奈落に打....
悟浄出世」より 著者:中島敦
れない。彼らの勤めるのは、ただ、自然を観《み》て、しみじみとその美しい調和の中に透過することである。 「まず感じることです。感覚を、最も美しく賢く洗煉《せんれん....
超人間X号」より 著者:海野十三
、防ぎようのない伝染病《でんせんびょう》の細菌《さいきん》や、どんな防毒装置でも透過《とうか》する毒ガスや、そのほかいろいろの最新兵器も、みな死滅し分解され破壊....
地球要塞」より 著者:海野十三
ったのだ。しかもX大使の体は消えてしまったのだ。恰《あたか》も大使の体は防水扉を透過《とうか》して、クロクロ島の外に出た――と、そうとしか考えられないのであった....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
あった、サイクロ銃をとりあげ、台尻を肩におしあてた。これは中性子を利用したすごい透過力のある銃である。あまり遠くまではきかないが、二百|米以内なら、岩でも鋼板で....
連環記」より 著者:幸田露伴
ぬでもなく、五月雨のしとしとと降る頃を、何か分らぬ時を過した。もう然様いう境界を透過した者から云わせれば、所謂黒山鬼窟裏の活計を為て居たのであった。そこへ従僕が....
耳と目」より 著者:寺田寅彦
である。こんな事もトーキーの場合には問題になりうるであろう。 音と光との回折や透過に関する差違はトーキーでもすでにいろいろに利用されている。酒場で悪漢が密談し....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
この写実は、写真によって代表せられるような平板なものではない。それは作者の性格を透過し来たることによってあらゆる種類の変化を示現し得るような、自由な、「芸術家の....
」より 著者:中谷宇吉郎
が降ることがある。顕微鏡の下で反射光で見ると、一面に白い小粒が重ったように見え、透過光で見ると、全体が黒く見えるものである。この結晶を切って、その断面を顕微鏡で....