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「逐一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逐一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
参りました。胸が苦しくなって参りました。出来るならこの場で、私が妻を殺した一条を逐一《ちくいち》白状してしまいたい。――そんな気がまるで嵐のように、烈しく私の頭....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
私は先日神泉苑の外《そと》で見かけました、摩利信乃法師《まりしのほうし》の振舞を逐一御話し申し上げてから、 「その女菩薩の姿では、茉利夫人とやらのようでもござい....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
と心得た顔色で、わいわい騒ぎ立てたんだ。何しろ主人役が音頭《おんどう》をとって、逐一白状に及ばない中は、席を立たせないと云うんだから、始末が悪い。そこで、僕は志....
「或る女」より 著者:有島武郎
ょうだい、ねえさんがあらかたしてしまってあるけれども……」 そういって先刻から逐一｜二人《ふたり》の争論をきいていたらしい愛子を階上に追い上げた。しばらくして....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
決してそれを無事に済まそうとはしなかった。彼女は京へ帰って、三井寺の一条を忠通に逐一訴えた。 「予の代参というそちに対して山門内に通さぬと申し、あまつさえこちら....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
じったか、また、スクリューを砕いたかということを高速度撮影された実物映画によって逐一選抜記録するのであった。それはなかなか厳重をきわめたものであって、あとで百五....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
最初は曖昧の申し立てをしていたが、しまいには包み切れなくなって、ゆうべの出来事を逐一に申し立てたので、草履屋の藤吉が越前屋の亭主と御留川へ夜釣りに行ったことや、....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
の旦那様のおかしな御容子から、今日いまここに到るまでの気味の悪い数々の出来事を、逐一申し上げたのでございます。 ――すると、それまで私の話を黙って聞いていた、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、遂にそのゆくえが知れずに終った。 その翌年になって、賊は紹興地方で捕われて、逐一その罪状を自白したが、かれは案外の小男であった。彼は当夜の顛末についてこう語....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れば、指導役のお爺様にも根掘り葉掘り問も御道の為めとあれば、私の存じて居る限りは逐一申上げて了いましょう。話が少し堅うございまして、何やら青表紙臭くなるかも存じ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
いられないことですから、叔母がたずねて来たことと、お由が家出をしたらしいことを、逐一に話してきかせますと、母は「まあ」と言ったばかりで、折角の笑い顔がまた俄かに....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
容赦はない。拷問して白状させるという意気込みで厳重に吟味すると、崔英は恐れ入って逐一白状した。まずこの少女の申立てによると、かの広東における舞台の幽霊一件は、ま....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
の殺害と四人の嫌疑者のことから、工手の殺害に峯吉の安全燈の不思議な出現に至るまで逐一詳細に物語ると、最後にぶつかってしまった大きな矛盾と、その矛盾からシミジミと....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
求をする事を不当だとは認めなかった。池内は別室で細々と、航路から見た下界の模様を逐一よどみなく申し立てた。幸い当日は曇天だったので、機は五百米下二百米の間を飛ん....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
のさきに訪問せし某の家に人を走らせ、つまびらかにその情況を探知し、かつその途次、逐一審査すれば、全く出発の即日帰路の変事にして、近傍途次にて現に父と面語せしもの....