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途
「途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
う》。
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仲店の片側。少年はこの男を見送ったまま、
途方《とほう》に暮れたように佇んでいる。父親の姿はどちらを眺めても、生憎《あいに....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
木樵《きこり》と三匹の犬とをさも莫迦《ばか》にしたように見下《みくだ》しながら、
途を急いで行ってしまいました。
髪長彦は好《い》い事を聞いたと思いましたから、....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
え者め。人違いをするな。」と叱りつけた。左近は思わず躊躇《ちゅうちょ》した。その
途端に侍の手が刀の柄前《つかまえ》にかかったと思うと、重《かさ》ね厚《あつ》の大....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
は彼等を縛《いまし》めた後《のち》、代官の屋敷へ引き立てて行った。が、彼等はその
途中も、暗夜《やみよ》の風に吹かれながら、御降誕《ごこうたん》の祈祷を誦《じゅ》....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
まったのであろう? あのお時儀は全然反射的である。ぴかりと稲妻《いなづま》の光る
途端に瞬《またた》きをするのも同じことである。すると意志の自由にはならない。意思....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
にいつも微笑《びしょう》を浮かべている。奉天《ほうてん》から北京《ペキン》へ来る
途中、寝台車の南京虫《なんきんむし》に螫《さ》された時のほかはいつも微笑を浮かべ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ゅうもん》しにそれぞれ足を運んでいたのだった。
浜伝《はまづた》いにS村へ出る
途《みち》は高い砂山の裾《すそ》をまわり、ちょうど海水浴区域とは反対の方角に向っ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ろう」 婆さんは眼を怒らせながら、そこにあった箒をふり上げました。 丁度その
途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え始めました。 ....
「狂女」より 著者:秋田滋
ったら――」 そう云い残して、彼はその部屋をでて行った。 その翌日、老女は、
途方に暮れながらも、どうかして彼女に着物を著せようとした。けれども、狂女は身を※....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
て来たのだ。 私はこれで元は快活な人間だったのである! 何を見ても嬉しかった。
途ゆく女の姿、街の眺め、自分の棲んでいる場所、――何からなにまで私には嬉しくて堪....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ど情心あり。主公は朋友の懇親会に幹事となりてかの夜、木母寺の植半にて夜を更して帰
途なりしとなり。その事を言い出て大いに笑われたり。予は面目なく覚えたり。小女を見....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
語との比較や、パリおよびローマの文明の傾向を論じたりしたが、一方では王立協会の前
途について心配し、なおその一節には、 「旅行から受くる利益と愉快とを貴ぶことはも....
「寡婦」より 著者:秋田滋
で首を吊って死んでいたのです。 その息子さんも、一千八百四十一年になさった旅の
途次、オペラ座の歌姫にだまされたあげく、巴里の客舎で、同じような死に方をして果て....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
舎から低くぶつぶつ聞えてきたが、蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが
途切れて、先生の、まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞え....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
会に一歩あしを踏み入れると、彼等はその広いことと、往来の人の多いことに、しばしは
途方に暮れた。 しかし彼等はこういう人たちのなかに探ねる息子のジャンもいるに違....